蘭育成チャリティ講習会=秋田県人会が希望の家支援

秋田県人会(大間知アルフレッド会長)は24日、チャリティイベント「タカネ・ロベルトの蘭と鉢植え栽培講習会」を開催した。同イベントは、日系福祉施設「希望の家」を支援する目的で開催され、約20人が参加した。参加者は、参加費の代わりに衛生用品を持参し、同福祉施設に寄付した。
講師を務めたタカネ・ロベルトさん(2世、57歳)は、2002年にサンパウロ州立大学(UNESP)農学部植物生産学で博士号を取得し、08年からセアラー連邦大学農学部植物学科に准教授として勤めている。15年には米国フロリダ大学熱帯研究教育センター(TREC)で、蘭やブロメリアなどの増殖バイオリアクター(生体反応器)研究を行い、これまでに蘭を中心とした植物の本を11冊出版している。
タカネさんの両親が秋田県出身で、県人会員であったことから今回の講演が実現した。タカネさんは県人会で講演を行うのは初めてだが、居住するセアラー州では月に2回程ボランティアで植物の育成講習会を行っているという。
講演では、タカネさんのこれまでの研究をもとに、蘭の育成の注意点や難しさ、罹りやすい植物病とその原因と対策などについて写真を交えて解説。質疑応答後、希望の家が参加者らの寄付品に対するお礼のプレゼント抽選会を行った。
タカネさんは「講演の機会を頂き、本当にありがとうございます。自分の研究を皆に話せることも嬉しいですが、何よりこの講演が日系福祉団体の助けになること、両親の思い入れある秋田県人会への貢献になることが嬉しいです」と語った。
大間知会長は、「参加者はみんな蘭を育てている方なので、真剣に話を聞き、充実した時間を過ごせたようでよかった。セアラーからこの為に来てくれたタカネさんにも感謝です。秋田県人会では今後もこういったチャリティイベントをして日系福祉施設の負担が少しでも減るようにしていきたいです」と語った。
希望の家の下本ジルセ会長は、秋田県人会、タカネさん、イベント参加者らの同団体に対する支援に深謝した。
講習会に参加したイホシ・エミさんは、「私も両親も蘭を育てているので、今日の講演にきて本当によかったです。今日帰ったらさっそく習ったことを参考にしてみます!」と意気揚々と語った。