ルーラ、ウルグアイで首脳会談=中国との貿易協定問題を協議

ルーラ大統領は25日、ウルグアイを訪れ、ラカージェ・ポウ大統領と会談を行った。ルーラ氏はウルグアイが中国と行おうとしている貿易協定とメルコスル(南米共同市場)との両立を主張。ポウ大統領から好感触を得た。25、26日付現地紙、サイトが報じている。
ルーラ大統領のウルグアイ訪問は、アルゼンチンでのラテン・アメリカ及びカリブ諸国共同体(Celac)首脳会談に続いて行われた。大統領は当初、ウルグアイの中国との貿易協定を諦めるよう説得するよう求められていた。
それは、メルコスル内でアルゼンチンのフェルナンデス大統領とポウ大統領がその件で険悪となっていたためだ。フェルナンデス氏は左派、ポウ氏は中道右派と、政治的な違いもあった。ルーラ氏も、メルコスルやCelacの加盟国同士の結びつきを強めるべきことを主張していた。
だが、ルーラ氏はポウ大統領の前で中国との貿易協定に正面から反対することはせず、中国とメルコスルとの協定に発展させるために、メルコスルの体制改革を求めた。
また、ルーラ氏は中国との協定について話し合う前にメルコスルと欧州連合(EU)との協定成立を急ぎたいとの意向も伝えている。ルーラ氏は「EUとの問題は私が1期目の2003年から話し合われているが、2期目になっても、大統領を離れても、3期目になってもまだ決まっていない」と語った。
ルーラ大統領はさらに、両国の国境に近い空港の近代化など、インフラの共同建設などの提案も行なった。
ポウ大統領は会談後、「ルーラ氏と話して楽観的な空気が生まれた。ウルグアイが時を失う可能性はなくなるかもしれない」と、好感触を得ていた。
ポウ大統領との会談後、ルーラ大統領は以前から同じ左派大統領として親しかったホセ・ムヒカ元大統領と会った。「世界一質素な大統領」と呼ばれ、国際的にも有名だったムヒカ氏は、同氏の唯一の資産として有名な中古のフォルクス・ワーゲンにルーラ氏を迎え入れた。
ムヒカ氏はルーラ氏に南米共同通貨やアルゼンチンとウルグアイの関係について尋ねるなどしたという。