ハイチ＝緊急事態宣言など発令＝３６００人の囚人脱走で

　ハイチで現地時間の２日、刑務所からの大規模な囚人脱走事件が発生し、３日に非常事態宣言と夜間外出禁止令が発令された。４日付Ｇ１サイト（１）やアジェンシア・ブラジル（２）などが報じている。
　これは２日に同国の首都ポルト―プランスで発生した国立刑務所襲撃事件とそれに伴う大規模な脱走事件によるものだ。武装したギャング団が破壊行為を行った結果、同刑務所に収監されていた約３６００人の囚人が脱獄、逃走した。
　この犯罪は、２０２１年に起きたジョブネル・モイーズ大統領殺害事件後に暫定大統領に就任した同国のアリエル・アンリ首相が、ラテンアメリカ・カリブ共同体（Ｃｅｌａｃ）首脳会議後、ケニアの警察官を国連が支援している治安維持活動のために派遣してもらうための合意書に署名するため、ケニアを訪問している間を狙って行われたと見られている。
　この事件を受け、ハイチ政府は３日、全国に非常事態を宣言した。非常事態は７２時間有効だが、延長があり得る。
　さらに、「治安の悪化」を理由とし、夜間外出禁止令も発令した。実施時間は月曜日～水曜日で、１８時から翌朝５時までとなる。夜間外出禁止令も延長があり得る。
　非常事態宣言と外出禁止令は首相代行中のパトリッキ・ミシェル・ボワヴェール経済相が署名。同国政府はあらゆる手段を使って解決に務めると語っている。