ふるさと巡り=北東伯の日系社会を訪ねて(7)=日本人会が非日系少年のふるさとに

バイア州ジュアゼイロ市のヴァレー・サンフランシスコ日伯体育協会会館で行われた同協会員との交流会。振舞われた美味しいすき焼きを頂き、片付けの手伝いにとお皿を持って、台所へ向かった。台所では非日系の伯人女性が率先して片づけを行っていた。
非日系の会員は珍しいと思い、話しかけたが、照れてしまい、奥へ行ってしまった。残念。しかし、他の会員と話していると、彼女の方から「私の息子はゲートボールが大好きなんです。だから今日も皆と参加しました」と話しかけてくれ、その息子さんを紹介してくれた。
ゲートボールが大好きなフランシスコ・カルヴァーリョくん(12歳)は毎週日曜日、大人と一緒に6時間ほどゲートボールの練習に励んでいる。さらに、毎週土曜日は日本語も学んでいるという。
2年前にペトロリーナに引っ越してきたフランシスコくんは、日本文化に興味があり、太鼓を習い始めた。その後、日本語学校にも通うようになった。日本語学校の先生に誘われ、ゲートボールに参加したところ、その楽しさから、一遍に心を奪われたという。
「ゲートボール競技が面白いのは勿論なんだけど、会員の皆と話すことで、人生について学べるのが楽しいんです」と笑顔で話した。
将来はゲートボールを続けながら、叔父を見習って弁護士になりたいという。
人種や出身地が違えども、文化や価値観は受け継ぐことが出来る。日系協会が、フランシスコくんの「心のふるさと」になると思うと嬉しさがこみ上げた。(続く、島田莉奈記者)