世界最大のサンジョアン祭=独特の楽しみ方を紹介

6月も後半に入り、今年の「フェスタ・ジュニーナ(6月祭)」も全国各地で盛り上がりを見せている。一連の祝祭の中核をなし、24日の聖ジョアンの日を称えて開催されるのが「サンジョアン祭」だ。
カトリックの聖人である聖ジョアン(聖ヨハネ)を祝福する伝統行事で、ポルトガルやスペインなどのカトリック国でも盛んに行われている。聖ヨハネとは「バプテスマのヨハネ」「洗者ヨハネ」のことで、西暦28年ころ、ナザレのイエスにヨルダン川河畔で洗礼を与えたのが彼で、その生誕を祝う。
中でも「世界最大のサンジョアン祭」を自称するのが、ブラジル北東部パライバ州第2の都市カンピナ・グランデ市で絶賛開催中のそれだ。不思議な飲み物やオモシロ有料トイレなど、そこでしか体験できない特色を21日付テラ・サイトなど(1)(2)が報じた。
今年41回目を迎えるカンピナ・グランデの同祭は、昨年より1万5千平米拡張し、4万平米の広大なポーヴォ公園で、5月29日〜6月30日まで33日間にわたって開催されている。
今年は市制160周年を記念し、500を超えるアトラクションが用意され、メインステージに加えて他3カ所にも舞台が設置され、合計1千時間以上の音楽と文化にあふれた祭典が繰り広げられている。
市によると、今年の来場者は前年比20%増の約300万人を見込んでおり、予想される経済収益は6億レアル。飛行機の発着便は前年同期比73%増。メイン会場に出店するバーやレストランに加え、200人以上の露天商が働き、4千人の直接間接雇用を生み出している。
この会場内で人気を集めているのが、「ショショッタ(Xoxota)」だ。すでに25年前から販売されているこの飲み物は、ワインとウォッカをベースにした甘いお酒で、1杯12レアル(約350円)。ジュリアナさんが経営するキオスクで販売しており、詳しいレシピは門外不出。
この「ショショッタ」だが、その意味はずばり「女性器」。冗談好きのブラジル人は「飲む」のではなく、むしろ「吸う」べきだと言い、ストローで楽しむのがこの飲み物の特徴だと愉快に説明する。そのユニークなネーミングと風味で多くの地元民に愛されている。
イベントを楽しむ際に、気になるのがトイレ事情だ。同祭のメイン会場周辺にも多くのトイレが設置されているが、その中で特に注目されているのが、「オープン・シシ(Open Xixi)」というサービス。この名前の意味は「排尿し放題」で、一定額を支払うことで、特定期間内に無制限に利用できる。いわゆるオープンバーをもじった言葉だ。
有料で腕輪を購入し、夜間を通じて何度でも清潔なトイレを利用できる。顧客はお金を払ってでも清潔で快適な環境を求めてこのサービスを選ぶ傾向にあり、この斬新なネーミングも相まって、利用者が増加中だという。主催者は定期的に清掃を行い、石鹸やアルコールジェルなどの手洗い設備も完備し、参加者が安全かつ快適にイベントを楽しめるよう配慮している。
イベント詳細は公式サイト(https://omaiorsjdomundo.com.br/#sobre)から。