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ピアウイ州、北東伯の潜在力を強調=フォンテレス州知事が講演=商議所定例懇親昼食会

2025年3月25日

ラファエル・フォンテレス知事
ラファエル・フォンテレス知事

 ブラジル日本商工会議所(小寺勇輝会頭)は21日、サンパウロ市のトランスアメリカ・プライム・インターナショナル・プラザ・ホテルで定例懇親昼食会を開催した。今回は特別ゲストとしてピアウイ州のラファエル・フォンテレス知事を迎え、「ピアウイ: ビジネスが花開く場所」をテーマに講演が行われた。ブラジル北東部9州で構成されるノルデステ・コンソルシオの理事長も務める同知事が、人口5000万人以上、全国のGDPの15%を占めるノルデステ市場の魅力と、ピアウイ州を同市場へのゲートウェイとして活用できる可能性を紹介。さらに、日本との友好関係を深め、経済交流をより一層発展させたい意向を表明した。
 冒頭の挨拶で小寺会頭は、3月末をもって会頭を退任し、後任に伯国三菱商事会社の羽地貞彦氏が就任することを発表。会員企業、現地社会、日伯間をつなぐ官民交流のさらなる活発化を願う言葉で締めくくった。
 フォンテレス知事は、ピアウイ連邦大学(UFPI)で数学を専攻し、国立純粋応用数学研究所(IMPA―RJ)で数理経済学修士号を取得。2015年から2022年まで同州の財務長官を務め、州最大の投資プログラム「PRO ピアウイ」のコーディネーターも歴任した。また、国家委員会および連邦地方財務長官(コムセファズ)の会長を務めた経歴を持ち、2022年に労働党から出馬してピアウイ州知事に当選した。
 知事は講演の中で、ピアウイ州民を「規律とけじめを重んじ、真面目で善良」と評し、日本人の国民性との類似点に言及。日本の文化や教育への強い関心を示すとともに、将来的には交換留学プログラムを実現したい意向を示した。同州の発展戦略は「教育と技術」を軸に、中長期的視点から健全な税制、社会インフラ投資による安定性と確実性、さらに脱官僚主義による自由経済促進を掲げている。

会場の様子
会場の様子

 教育水準の底上げを急務とする同州は、「スーパーショック」と名付けた人材育成プロジェクトのもと、教育制度改革を強力に推進中である。ラテンアメリカで初めて人工知能(AI)を高校の必修科目に導入したことでも注目され、同州は現在、ブラジル国内でスタートアップ企業数第4位を誇るまでに成長している。
 ピアウイ州で現在進行中の主要産業分野としては、地下水脈を活用した農業の拡大、再生可能エネルギーによる電力自給超過、広大な鉱物資源埋蔵(面積は日本の国土の約70%)、物流拠点の開発、デジタル情報産業、観光、バイオテクノロジーが挙げられた。

記念に配られたピアウイ州を特集したビジネス・経済誌「EXAME」
記念に配られたピアウイ州を特集したビジネス・経済誌「EXAME」

 講演の最後に知事は「ピアウイ州と、結束力の強いノルデステ9州全体を代表して、ぜひ積極的にお声掛けをいただきたい」と呼びかけ、参加者に州の魅力を特集したビジネス・経済誌『EXAME』を記念品として配布した。


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