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クーデター審理=ボルソナロが怒りの会見=「選挙高裁はルーラを有利に」=元大統領として初の被告で

2025年3月28日

会見でのボルソナロ氏(Lula Marques/Agencia Brasil)
会見でのボルソナロ氏(Lula Marques/Agencia Brasil)

 22年大統領選後のクーデター計画疑惑で起訴され、最高裁第1小法廷での審理で被告になったことに対し、ボルソナロ前大統領(自由党・PL)は26日午後、連邦議会で自身を支持する連邦議員たちと抗議の記者会見を行った。同日付フォーリャ紙(1)などが報じている。

 26日、ボルソナロ氏はブラジルの政治史上、クーデターの嫌疑をかけられて被告になった最初の大統領経験者となった。今回は起訴内容が受理されて被告になった。有罪かどうかを審議するのは次の裁判になる。
 連邦検察庁のパウロ・ゴネ長官があげた「民主的放置の暴力的廃止」「武装犯罪生成」「損害認定」「登録遺産破壊」「クーデター」の五つの罪状に関し、ボルソナロ氏ら計8人が「中心的な役割を担った」として、報告官を務めたアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は起訴状を受理し、対象者を被告とすることを推薦。判事全員が賛同したため、満場一致で全員が被告となった。(2)
 この結果を受け、ボルソナロ氏は26日午後、上院の前で抗議の声明会見を行った。そこには長男フラヴィオ上議(PL)やロジェリオ・マリーニョ上議(PL)ら、同氏を支持する政治家ら数10人が顔を揃えた。
 ボルソナロ氏は約50分にわたる抗議演説の中で、これまでの主張を繰り返した。前大統領はここでも、予てから導入を希望していた印刷付電子投票システムが選挙高裁の反対もあり、下院の投票で却下されたことを蒸し返した。
 「私は若い頃から民主主義の精神は投票と票の集計にこそ存在すると思っている。なぜ、この件の捜査に関しては注目しないのだ。モラエス判事は何を隠そうとしているのか」と疑問を呈した。電子投票は1996年の導入以来、今のところ、不正が発覚して問題になったことはない。
 ボルソナロ氏はさらに、「私はクーデターの首謀者との容疑をかけられている。人々はモラエス判事の独断的な物事の進め方に気がついているはずだ。選挙高裁は私に不利な判断をし続け、ルーラ氏を有利にした」と、モラエス判事や選挙高裁も批判した。
 ボルソナロ氏は、ジョゼ・ムシオ国防相がテレビ番組で語った内容を引用して、「私は軍の高官を紹介し、政権移行を手伝った」と主張し、ルーラ氏の大統領就任式にたすきを渡さなかったのは「別に犯罪ではない」と弁明。23年1月8日の三権中枢施設襲撃事件の際には米国にいたとして、クーデターへの関与を否定した。
 そして「被選挙権まで剥奪された。これが劇場的展開の結末だ」との言葉で、自身は政治的迫害の被害者だと改めて主張した。
 クーデター疑惑では、この後3回(3組)にわたり、残り26人の起訴対象者を被告にするか否かの審理が行われる。現時点では、26日に被告となった8人に関する新たな裁判が行われる日時は未定だ。起訴内容そのものに関する裁判は、26日の判決に対する被告側の異議申し立ての権利が尽きた後となる。
 新たな裁判が始まるまでの期間、捜査妨害を試みたり、逃亡の危険性などがあると司法から判断された場合以外は、ボルソナロ氏が逮捕されることはない。(3)


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