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ペトロブラス=CO2地底再注入量が過去最高=原油生産増と環境保護を両立

2025年3月28日

ペトロブラス社のFPSO「アルミランテ・タマンダレ」(Foto: Divulgação SBM)
ペトロブラス社のFPSO「アルミランテ・タマンダレ」(Foto: Divulgação SBM)

 石油公社ペトロブラス(PB)は25日、2024年にリオ州沖合南東部に位置するサントス盆地のプレソルト(岩塩層下の油田)の貯留層に、1420万トンの二酸化炭素(CO2)を再注入したことを発表した。この量は世界全体の28%に相当し、23年の1300万トンを大きく上回る過去最高記録となったと、25日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
 この技術はCCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)と呼ばれ、工場や発電所などで回収されたCO2を、油田貯留層に圧入することで原油を押し出し、回収効率を向上させるとともに、大気中に放出されるCO2削減にも寄与する。この技術は温室効果ガス排出を抑制し、環境保護の観点からも重要な役割を果たすものとされ、持続可能なエネルギー利用において強い期待を集めている。
 PBが使用する技術により、08年以降、累積的なCO2の再注入量は6790万トンに達しており、25年末までにはその量を8千万トンまで増加させることを目指している。
 PBによれば、プレソルトでの1バレルあたりのCO2排出量は、世界全体の平均に比べて70%少ないという。CCUS技術と高度な原油増進回収法(EOR)を組み合わせた戦略により、CO2排出量はさらに削減されており、効率的かつ低排出で石油を生産するために重要な役割を果たしていると強調。
 CO2地底再注入は油田の石油回収を促進し、24年にはペトロブラスは1日あたり320万バレル相当の石油をプレソルトから生産し、これは同社全体の生産量の81%に相当する。
 現在PBはサントス盆地のプレソルトで、CO2の捕集および再注入システムを備えた22基のFPSO(石油と天然ガスの生産・貯蔵・積出を行う浮体式プラットフォーム)を運用している。2月15日には、1日あたり最大22万5千バレルの石油と1200万立方メートルの天然ガスの処理能力を持つ国内最大規模のFPSO「アルミランテ・タマンダレ(ブジオス7)」が、国内で最も有望なプレソルトとされるブジオス油田で生産を開始した。
 PBは声明の中で、ブジオス油田が同社最大の生産拠点となり、1日あたり150万バレルを超える生産が期待されていると強調。アルミランテ・タマンダレの導入が生産増に貢献するだけでなく、脱炭素化技術や熱利用技術を備え、温室効果ガスの排出削減とエネルギーの最適化を実現していると述べた。同社は50年までに石油生産におけるカーボンニュートラル(ネットゼロ)を達成することを目指す。
 アレシャンドレ・シルヴェイラ鉱山動力相は、この運用開始がブラジルのエネルギー生産拡大に向けた重要な一歩であることを強調し、環境影響を抑えた持続可能な石油・ガス産業の発展に貢献するとの見解を示した。


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