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渡部氏ら10人が受章=令和7年春の叙勲

2025年4月29日

 令和7年春の叙勲受章者が29日に発表された。ブラジル関係からは邦人叙勲4人、外国人叙勲6人の計10人となった。受章者の経歴は次の通り。(敬称略)

【在サンパウロ日本国総領事館推薦】

渡部一誠
渡部一誠

 ―渡部一誠(80歳)外国人叙勲・旭日中綬章。1970年にサンパウロ州立パウリスタ大学歯科学部准教授となり、84年から2005年までサンパウロ大学生物医科学研究所の教授を務めた。サンパウロ大学と三重大学の医学部生研修及び交換留学の推進に寄与するなど日伯間の学術交流に貢献。04~06年、16年から現在までブラジル日本研究者協会会長を務めている。04年にブラジル太鼓協会を設立し初代会長に就任。08年のブラジル日本移民100周年記念式典で1200人の太鼓奏者によるパレードを成功させた。

税田パウロ清七
税田パウロ清七

 ―税田パウロ清七(75歳)外国人叙勲・旭日小綬章。サンパウロ日伯援護協会と日伯福祉援護協会の会長として、ブラジル日系社会の医療と福祉の向上に尽力。日本人移住者の多いサンパウロ州イタペチニンガ市の公立病院の経営再建や、中南米最大規模の日系病院・日伯友好病院への日本製医療機器導入推進、傘下高齢者施設の積極的な改修などを行った。今回の受章に対し、「全ては援協に関わり、協力してくれた人たちのおかげ。皆を代表して叙勲されたものと思っています」と周囲への感謝を語った。

山田康夫
山田康夫

 ―山田康夫(73歳)邦人叙勲・旭日双光章。2016年4月から20年3月までブラジル日本都道府県人会連合会(県連)会長を務め、14~15年には県連主催「日本祭り」の実行委員長を務めた。18年の眞子内親王殿下をお迎えし開催されたブラジル日本移民110周年記念式典では、祭典委員会副委員長として一連の行事の成功に貢献。ブラジル滋賀県人会会長として、日伯両国の友好親善に寄与した。今回の受章に対し、「非常に嬉しく感じています。ですがこれは私個人ではなく、県連や日本祭りが認められたものだと受け止めています。特に日本祭りはコロナ禍で継続危機に見舞われ、多くの方の尽力によって復活しました。この場を借りて感謝申し上げたい」と語った。

 【在マナウス日本国総領事館推薦】

エリザベッチ・ミチエ・フクダ
エリザベッチ・ミチエ・フクダ

 ―エリザベッチ・ミチエ・フクダ(62歳、2世)外国人叙勲・旭日双光章。2008年にミナスジェライス州から、ロライマ州に転住し、ロライマ日伯協会を設立。09年に日本語教室を開設するなど、同協会の活動の中心的役割を担っている。州都ボアビスタ市に日系社会活動の礎が築かれたことにより、同州における日本文化普及、日本人及び日系人の地位及び福祉の向上が促進された。

 【在レシフェ日本国総領事館推薦】

伊與田明
伊與田明

 ―伊與田明(77歳)邦人叙勲・旭日双光章。レシフェ日本文化協会に会設立と同時に入会。2006年に資産担当役員に就任し、その後14年間に亘り同協会の役員を務め、12年から16年には会長を務めた。14年にレシフェで行われたW杯日本対コートジボワール戦の邦人サポーター支援、15年の日本・ブラジル外交関係樹立120周年を記念した海上自衛隊練習艦隊のレシフェ寄港歓迎行事などを通じて日伯文化交流に寄与。レシフェ市で行われている「レシフェ日本市」の実行委員会の一員としてその素地を築いた。

 【在リオ日本国総領事館】

エドゥアルド・エウジェニオ・ゴウヴェア・ヴィエイラ
エドゥアルド・エウジェニオ・ゴウヴェア・ヴィエイラ

 ―エドゥアルド・エウジェニオ・ゴウヴェア・ヴィエイラ(77歳)外国人叙勲・旭日中綬章。リオデジャネイロ州工業連盟(Firjan)の会頭を約30年に亘り務め、同州に駐在する日本企業の活動を積極的に支援した。日伯戦略的経済パートナーシップ賢人会議のブラジル側座長を2022年から現在まで務めている。

 【在クリチバ日本国総領事館推薦】

ダルシー・ピアナ
ダルシー・ピアナ

 ―ダルシー・ピアナ(83歳)外国人叙勲・旭日小綬章。2004年からパラナ州商業・サービス業・観光業連盟会長を務め、パラナ州への日本企業誘致活動などを通じて、パラナ州と日本の経済関係強化に貢献した。19年にパラナ州副知事に就任し、姉妹州県協定を締結する兵庫県との関係を強化するなど、パラナ州政府が進める日本との関係強化において中心的な役割を担っている。

 【在ポルトアレグレ領事事務所推薦】

鈴木貞男
鈴木貞男

 ―鈴木貞男(85歳)法人叙勲・旭日双光章。1961年、建設省所管の南米産業開発青年隊第7期生として21歳で渡伯。パラナ州での研修を経てリオ・グランデ・ド・スル州に移る。65年に花嫁移民の静枝氏と結婚。イボチ移住地に第2次入植し、同地におけるブドウ栽培成功の立役者となった。福祉法人イボチ日伯文化体育協会の副会長を2000年から3期6年、会長を06年から3期6年務め、日系移民の社会福祉の向上と促進に貢献した。

アルレッチ・シューマン
アルレッチ・シューマン

 ―アルレッチ・シューマン(61歳)外国人叙勲・瑞宝双光章。1990年2月、在ポルトアレグレ日本国総領事館に現地職員として採用され、2020年12月までの約31年間、秘書業務や広報文化関連業務に携わった。12年にリオ・グランデ・ド・スル州ガリバルジ市で初開催された日本文化祭の運営や15年の日本ブラジル外交関係樹立120周年記念行事の企画・調整等の準備において中心的役割を果たした。2010年に「在外公館現地職員永年勤務者表彰(20年表彰)」を受賞。退職時には州政府、市政府、日系団体から感謝と惜別の声が寄せられ、日伯友好への功績が広く評価されている。

 【文部科学省推薦】

アンドリュー・ジョージ・ウィリアム・パーソンズ
アンドリュー・ジョージ・ウィリアム・パーソンズ

 ―アンドリュー・ジョージ・ウィリアム・パーソンズ(48歳)外国人叙勲・旭日大綬章。国際パラリンピック委員会会長として、コロナ禍における東京2020パラリンピック競技大会の開催に尽力し、感染拡大を予防した上で、パラリンピック史上最大数の選手参加という成果を上げた。日本のメディアに対し、パラリンピックを「すべての障がいのある人たちの権利を守っていくことを考えるための大きなきっかけ」とアピールし、日本社会の意識向上にも、大きく貢献した。


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