レオ14世=ペルー国籍も持つ新教皇=貧困層と労働者を援護

8日、2日間にわたる教皇選挙(コンクラーヴェ)の結果、ロバート・プレヴォスト枢機卿が、第267代ローマ教皇に選ばれた。新教皇レオ14世は米国出身で、ペルー司教区に長く在籍するなど、アルゼンチン出身だったフランシスコ前教皇に続き、南米に縁のある人選となった。
プレヴォスト枢機卿は1955年にシカゴで生まれた。母方の血筋がスペイン系だ。1977年にセントルイスの聖アウグスティン修道会に入り、シカゴのカトリック神学校で神学の学位を取得した。
1985年にペルーのアウグスティン会宣教団に派遣され、同国第3の都市トルヒーリョで伝道団に参加している。2014年、フランシスコ教皇により、ペルーのチクラヨ司教区の司教に任命され、チクラヨの名誉司教、さらにバチカンの司教省長官、さらに枢機卿に任命されるまで9年間、ペルーの司教区で過ごしている。
8日付CNN記事(1)によれば、新教皇はかつてインタビューで「ペルーで過ごした時間が自分を最も形成した人生経験だった」と語ったことがある。聖職者としてのキャリアの半分以上をペルーの宣教師として過ごし、2015年8月にペルーの国籍も取得した。ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は、今回の選出を「ペルーと世界にとっての歴史的瞬間」と喜んだ。
ブラジル全国司教会議(CNBB)によると、新教皇はブラジルに2012年と2013年に訪れた。その時にはグアルーリョ(サンパウロ州)とベロ・オリゾンテ(ミナス・ジェライス州)が主たる目的地だった。今年に3度目の来訪が行われる予定だったが、フランシスコ教皇が亡くなって延期された。英語、スペイン語、イタリア語、フランス語に加えて、ポルトガル語も流暢に話すと言われている。
路線的には、フランシスコ前教皇の路線を受け継ぎ、貧困者を始め社会的弱者に優しく、LGBTにも寛容だとされているが、ペルー司教時代に起こった教会内での性的虐待疑惑に関して聞き入れなかったとの報道もある。移民の扱いをめぐって、トランプ政権に異を唱えて話題になったこともある。(2)(3)
1878年から1903年まで教皇を務めたレオ13世は、貧しい人々の側に立って労働者を擁護したと言われ、カトリックの社会主義を強く重視していた人物。今回その14世を選んだことは強いメッセージとなっている。