site.title

ブラジルFCの国際展開加速=50カ国に68ブランド進出

2025年7月10日

ブラジル発の子供靴ブランド「カルサドス・ビビ」の実店舗(Foto: Divulgação/Edu Defferari)
ブラジル発の子供靴ブランド「カルサドス・ビビ」の実店舗(Foto: Divulgação/Edu Defferari)

 ブラジルのフランチャイズ(FC)ブランドは近年、グローバル展開を加速させている。24年は世界50カ国以上に68ブランドが進出し、前年の56ブランドから大幅増加。事業件数は過去最高の2901件に達した。主な進出先は米国、ポルトガル、パラグアイ、ボリビア、チリなどで、実店舗の他、デジタルチャネルやブランドライセンスを活用した新形態も拡大中と、26日付ヴァロール紙など(1)(2)が報じた。
 ブラジルFC協会(ABF)のナタン・バリル法務部長は、国際展開の成熟について、「為替安定と国家政策の整備が効果的だった」とした。また、「文化的・商業的視点を重視し、国際展開に真摯に取り組むようになったことが大きな転換点だ」と指摘し、ブラジルブランドは「堅実なビジネスモデル、高いイノベーション力と品質を備えており、国際的な基準を満たしていることを示している」と強調した。ABFとブラジル貿易投資振興庁(ApexBrasil)は国際的な展開を支援しており、25年も、パリやマイアミの国際展示会参加などで市場拡大を目指す。
 国外展開に伴い、各企業は市場分析や現地調査、消費者理解など、体質の成熟を迫られる。バリル氏は、「進出先は単なる数ではなく、消費ポテンシャルや競争環境を精査し、戦略的に選定されている」と強調する。
 代表例の子ども靴ブランド「カルサドス・ビビ」は、国外の売上比率が15%に達しており、今後数年間で25%を目指す。米国市場では直営FCからライセンス契約中心に移行し、電商(EC)やマルチブランド販売網で効率的に展開しており、アンドレア・コウルラウシ社長は「34年までに米国でライセンス店舗を100店展開する予定」と述べる。
 オンライン戦略ではチリ、ペルー、エクアドル、グアテマラで現地ECを展開中で、「将来的に実店舗とECを統合した〝エンドレスアイル(実店舗で品切れの商品をその場でEC注文できる仕組み)〟と〝クリック&コレクト(オンライン注文商品を店舗で受け取る仕組み)〟を導入予定」と説明。現時点では両者は別々に機能しているという。
 また、ブラジル料理に特化したファストフード業態の「ジラファス」は、米国展開後、チリに再進出。ABFによると、チリは規制安定やブラジル料理への親和性が高く、通商協定で物流円滑化も期待される。エドゥアルド・ゲラ事業拡大部長は「現地専任オペレーターがマーケティングや人材育成、メニュー開発を本部と連携して支援。初期投資は100万米ドルで、サンティアゴを拠点に10年で52店舗展開を目指し、メニューも現地食材で調整している」と話す。
 バリル氏は国際展開による「収益多様化」「ブランド認知向上」「新市場アクセス強化」の利点を挙げる一方、「文化ギャップ」「現地法適応」「製品ローカライズ」「物流体制構築」などの課題に注意が必要と指摘。「国内モデルの単純輸出ではなく、現地消費者に合わせた研究投資、人材教育、信頼できるパートナー選定が必須」とし、ABFとApexBrasilの支援継続も強調した。
 24年ABF発表の「国際FCランキング」によると、ブラジルブランドの国外店舗数トップはフィットネス業界の「スマートフィット」で845店舗、次いで飲食の「オークベリー・アサイーボウルズ」が421店舗、日本から進出し、ブラジルにラ米地区の拠点を持つ教育界のクモン・ブラジルが310店舗、住宅・建設の「iGUi」が285店舗と続いた。一方、展開国数は「iGUi」の50カ国でトップを占め、「オークベリー・アサイー・ボウルズ」の40カ国がそれに続く。アイウェアの「チリービーンズ」も16カ国で展開中だ。
 業界関係者は、今後もラ米圏が進出先として優先順位の高い地域であり続ける一方、すでに実績のあるブランドにとっては、米国や欧州市場は中長期的な成長の舞台として注視されているとの見解を示している。


リオ・グランデ・ド・スル州=死者5人、不明1人に=グアイバ湖は洪水位超前の記事 リオ・グランデ・ド・スル州=死者5人、不明1人に=グアイバ湖は洪水位超下議の定数改正法案=上院で修正後、下院が承認=裁可されれば来年から適用次の記事下議の定数改正法案=上院で修正後、下院が承認=裁可されれば来年から適用
Loading...