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下議の定数改正法案=上院で修正後、下院が承認=裁可されれば来年から適用

2025年7月10日

上院での法案審議の様子(© Lula Marques/Agência Brasil)
上院での法案審議の様子(© Lula Marques/Agência Brasil)

 【既報関連】上院が25日、下議の定数を18増やす改正法案を審議し、若干の修正を加えた上で承認。これを受け、下院も緊急審議を行い、修正案を承認したことで、同法案はルーラ大統領の裁可を待つだけになったと同日付コレイオ・ブラジリエンセなど(1)(2)が報じた。
 25日に上院が審議したのは、2023年に最高裁が命じた人口比率に応じた下議の議席数の再配分のための法案だ。最高裁は、従来の下議数513人を維持したまま、州毎の人口の推移に合わせて各州が選出する下議の数を調整するよう命じたが、下院は5月6日、人口が減った州も下議の数を減らさず、人口が増えた州の下議の数を9州で計18人増やして総数531人とすることで、票の格差を是正するという法案を承認した。
 この法案はダッタフォーリャの世論調査でも、反対76%対賛成20%とあるように、国民には不評だったが、25日の上院は、対面とリモートの双方の参加を得て、同法案を審議。最終的に若干の修正を加えた後、賛成41対反対35で承認した。
 41というのは、この法案を承認するための最低必要数だから、上院をぎりぎりで通過したことになるが、下院はその後、上院が加えた、議員数が増えても下院の歳出の実質的な増加を禁ずるという項目も含めて再審議し、賛成361対反対36で承認。これにより、同法案は大統領裁可を待つだけになった。
 ただ、下院の定数を18増やすと、議員給その他の経費により、財政上は最大で年6460万レアルの影響が出るとされており、下院の歳出の実質的な増加を禁ずるという項目をどうやって守るのかは不明瞭だ。
 同法案が現行案通り裁可された場合、2026年の統一選挙では各州選出下議数がパラー州とサンタカタリーナ州で各4人、アマゾナス州とマット・グロッソ州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州で各2人、セアラー州とゴイアス州、ミナス州、パラナ州で各1人増える。
 また、州選出の下議数が増えると、州議会の議員数もそれに合わせて調整されるため、これら9州では、26年選挙から州議数も増える。
 25日付G1サイト(3)によると、州議数は、アマゾナス州とマット・グロッソ州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州で各6人、パラー州とサンタカタリーナ州で各4人、セアラ―州とゴイアス州、ミナス州、パラナ州で各1人増えるという。また、下議数が18増えるのに加え、州議数が30増えることで、年間の経費は最低でも1・5億レアル、4年間では6億レアルは増えるはずだという。
 上院や下院が投票を急いだのは、最高裁が6月30日までに再配分を行うよう命じていたためだ。連邦及び各州の来年度予算案への影響は発表されていない。


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