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サンパウロ市格差地図=生活の質最良はモエマ区=最低はブラジランジア区

2025年7月10日

24年版の格差地図の表紙(Reprodução/Rede Nossa São Paulo)
24年版の格差地図の表紙(Reprodução/Rede Nossa São Paulo)

 「私達のサンパウロ・ネットワーク」(Rede Nossa São Paulo、RNSP)が26日に発表した24年版サンパウロ市格差地図によると、生活の質が最良だったのはモエマ区、最低はブラジランジア区だったと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)が報じた。

 格差地図は、サンパウロ市内96区を、保健衛生、教育、住居、交通、治安、所得に関する45項目で評価したもので、モエマ区が最良で最低はブラジランジアというのは、評価点の総計によるランキングに基づいている。
 上位10区と点数(96が満点)は、モエマ76・68、ブタンタン74、ヴィラ・マリアナ71・91、イタイン・ビビ71・16、ラッパ70・95、アルト・デ・ピニェイロス70・92、ペルジーゼス70・77、ピニェイロス70・75、コンソラソン70・16、モルンビー69・48だった。
 下位10区と点数は、ブラジランジア49・39、トレメンベー50・16、カッポン・レドンド53・5、ヴィラ・メデイロス53・55、シダーデ・アデマル54・91、ヴィラ・クルサー55・3、ペドレイラ55・52、イタケラ55・52、ジャルジン・アンジェラ55・75、グラジャウー55・8となっている。10地区の大半は南部と北部、東部にある。
 最良だったモエマ区は、教育(教師達の努力)、住居(ファヴェーラの世帯数)、保健衛生(妊産婦死亡率)、治安(女性殺人、殺人、青少年殺人)などの8項目で最高の評価を受けた。
 他方、ブラジランジアは、正規雇用の機会93位、10代での妊娠92位、正規雇用者の平均月収92位、リサイクルできる廃棄物を無料かつ組織的に回収できる場所91位、インターネットへのアクセス87位、ファヴェーラの世帯数86位など、28項目が平均以下だった。
 周辺部では中心部ほど行政その他の恩恵を受けておらず、恩恵が広がる速度も遅いことは、その他の数字にも表れている。(4)
 27日付G1サイト(5)(6)が挙げる具体的な格差の例の一つは平均寿命で、アルト・デ・ピニェイロス区の平均寿命は82歳だが、北部アニャングエラ区は58歳で、24年の差があった。
 また、正規雇用者の平均月収も地域差が大きく、北部サンドミンゴス区の平均月収は8515・29レなのに対し、東部のアルトゥル・アルヴィンでは2200・70レだった。
 通勤にかかる時間も評価対象で、多くの人は通勤に1時間以上かかっていた。RNSPは南部に住み、中央部に通勤する人向けの公共交通機関の改善を求めたが、SPTransは、サンパウロ市のバス1万2千台は4700kmの道路を網羅し、1日に230万km走っている。市内で最も遠方の場所にも到達し、鉄道交通との連携も図っているし、最大4台のバスを乗り継げるビリェッテ・ウニコも導入しているとの声明を出した。
 人種差別や同性愛者や両性愛者、性転換者などのLGBTQ+への差別、これらの人達への暴行事件が多いのは中央部と西部で、人口10万人あたりのLGBTQ+の人の暴行被害者数はセー89・59人、レプブリカ72・23人、ボア・ヴィスタ52・16人、コンソラソン46・63人、バラ・フンダ31・46人、パリー28・85人、サンタセシリア25・87人、アルト・デ・ピニェイロス23・98人となっている。LGBTQ+の人達への暴行事件発生率が低いのはソコーロ、マルシラック、ペドレイラ、カショエイリーニャ、ヴィラ・ギリェルメなどだ。
 人種差別的暴力や人種差別的傷害の人口1万人あたりの被害者数は、バラ・フンダ18・36人、レプブリカ10・49人、パリー10・42人、ブラス6・61人、ベラ・ヴィスタ5・18人、コンソラソン5・06人、サンタセシリア4・74人、イタイン・ビビ4・01人となっている。この種の犯罪が少ないのはカンポ・リンポ、ブタンタン、イピランガ、シダーデ・アデマル、イタイン・パウリスタ、サンミゲルなどだ。


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