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連邦政府=家族農収穫計画が過去最高額に=金利15%だが2、3%で890億レ融資

2025年7月10日

家族農向けの収穫計画発表式典(© Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
家族農向けの収穫計画発表式典(© Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 連邦政府が6月30日、過去最高となる890億レアル規模の25/26農年家族農向け収穫計画(Plano Safra da Agricultura Familiar)を発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)が報じた。
 同計画には家族農強化国家プログラム(Pronaf)用の農村信用、公共調達、農業保険、技術支援、最低価格保証その他の政策が盛り込まれている。新農年の金額は24/25農年の760億レアルを上回り、最高記録を更新した。
 新農年の予算中、782億レは今年30年目を迎えるPronaf向けだ。Pronafでは、米やフェイジョン豆、キャッサバ、果物、野菜、卵、牛乳などを生産するための資金調達なら3%、有機または農業生態学的な食料生産のための資金調達なら2%という低金利を維持している。
 収穫計画の発表は大統領府で行われ、ルーラ大統領が「インフレが5%(経済基本金利は15%)の中、3%や2%、最高でも(その他の農産物向けの資金調達の場合の)5%という金利はゼロ金利またはマイナス金利を意味している」と強調。長年にわたるプログラム拡大と低金利での信用提供を祝った。
 また、農産物の生産性向上と小規模生産者の生活の質向上のため、機械化へのインセンティブの重要性も強調。08年にマイス・アリメントス計画を創設した時は最大80馬力のトラクター8万台を販売し、危機に瀕していた自動車産業を支えたことを例に、土地の面積に応じた機械化へのインセンティブは機械・設備製造業の活性化にもつながると述べた。
 大統領は、新収穫計画ではアグロエコロジーを支援し、持続可能な灌漑、気候変動への適応、生産性の高い裏庭、農村部での接続性とアクセス性を支援するためのクレジットラインを設けたことも強調。菜園や果樹園、薬用植物利用、小動物飼育などの複数の活動を組み合わせた統合システムで、生産活動と家事、家族の世話を融合させた「生産性の高い裏庭(アグロエコロジカルなバック・グラウンド)」に重点を置く、農村部の女性向けの小規模信用はその一例で、年利0・5%で最大2万レの融資を使える上、全額返済すれば25~40%のボーナスがつく。この信用は23年に行われた「ヒナギクの行進」での要求事項の一つだ。
 また、機械化促進のため、小型機械・設備の購入限度額が5万レから10万レに引き上げられた。金利は2・5%のままだ。大型機械の場合の限度額は25万レで金利は5%だ。
 農業保険関連ではガランチア・サフラ(収穫保証)に11億レ、プロアグロ・マイス(農業促進)に57億レを割り当てる他、家族農による産物の公的購入に37億レ、技術支援に2・4億レ、ババス、ピラルク、ゴムという三つの社会生物多様性製品の最低価格保証に4220万レが向けられる。
 家族農への収穫計画では、酪農チェーンのイノベーションと畜牛の遺伝的品質向上促進のため、受精卵移植プログラムも初導入された。
 式典では、より安全でより強靭、より健康的な農業慣行促進のための取り組みの一環として、農薬削減国家プログラム(Pronara)に関する大統領令への署名も行われた。
 なお、1日には、農業部門への資金提供を補完するため、農業関連融資や国内の中規模・大規模生産者を対象とするプログラムを含む、アグリビジネスのための収穫計画も発表された。


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