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イプソス調査=「自国は誤った方向に」63%=ブラジルも世界平均に並ぶ

2025年7月10日

ブラジル人の63%が国家の進路に対して否定的な見解を持っている(Foto: Marcelo Camargo/Agência Brasil)
ブラジル人の63%が国家の進路に対して否定的な見解を持っている(Foto: Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 市場調査会社イプソスが毎月実施している「グローバルアドバイザー調査―世界の懸念事項」の最新版によると、世界30カ国での平均で63%の人々が「自国は誤った方向に進んでいる」と考えており、ブラジルでも同率の国民が同様の認識を持っていることが明らかとなった。本調査は治安や腐敗、保健、貧困、インフレなど、18の社会的関心事項を対象に実施され、国民の間に広がる不安と不満の実態を浮き彫りにしていると1日付CBN(1)が報じた。
 調査は5月23日〜6月6日に、30カ国の成人2万5727人を対象に行われた。各国で最も懸念される問題を尋ねたところ、ブラジルでは40%が犯罪・暴力を、37%が汚職を、同じく37%が保健問題を挙げた。保健問題の懸念は冬季到来に伴う呼吸器疾患の増加に影響されたと見られる。続いて貧困が33%、インフレが31%となった。
 イプソス・ブラジルの最高経営責任者(CEO)、マルコス・カリアリ氏は、2024年以降に懸念が高まった分野として、政治腐敗とインフレを挙げた。政治腐敗に対する懸念は前年同期比で10%ポイント(pp)増加しており、特に国立社会保障院(INSS)の不正割引問題が影響したと分析。インフレへの懸念も7pp増加し、これらの要因が自国の進路に対する国民の否定的な見方の継続につながっていると述べた。
 調査対象の30カ国中、24カ国では国民の過半数が自国の進路は誤った方向だと認識している。中でもイスラエルでは74%が否定的な見方を示しており、ガザ地区の戦争指導への批判や、ネタニヤフ政権への抗議行動が背景にあるとされる。
 米国では55%が国の方向性に懸念を示し、43%がインフレを最も大きな問題と回答。政治腐敗も高い関心を集めており、トランプ政権に対する各地での抗議活動が影響していると見られる。
 国の方向性について最も悲観的な認識を持っていたのはペルーで、91%が「誤った方向に進んでいる」と答えた。以下、フランス86%、ハンガリー84%、韓国80%、オランダ79%と続き、76%の日本はオランダに次ぐ6位だった。
 一方、調査対象国には楽観的な見方が過半数を占めている国も六つあった。これらの国と「国が正しい方向に進んでいる」と答えた人の割合は、シンガポール81%、インドネシア70%、マレーシア67%、インド64%、オーストラリア52%、アルゼンチン55%となっている。
 ただし、アルゼンチンでは失業率への懸念が1カ月で6pp増加しており、ハビエル・ミレイ政権による財政再建策と、それに伴う失業率の上昇が影響していると見られている。(2)


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