RTVニッケイ=130周年記念映画を上映=貴重な映像散りばめられた1時間
ラジオTVニッケイ(以下RTV、宮城パウロ代表)は10月17日(金)夜、サンパウロ市のニッケイパラセホテルで日伯外交関係樹立130周年を記念したドキュメンタリー映画『BRASIL/JAPÃO 130 ANOS DE AMIZADE(伯日友好130周年)』の上映会を行い、約60人がじっくりと観賞した。
宮城代表は最初、映画に協力してくれた来場者を順々に紹介。国際協力機構(JICA)ブラジル事務所の宮崎明博所長は、「RTVニッケイは出来事を記録し、それを放送することで次世代に事実や思いを伝える重要な役割を果たしてきた」と祝辞を述べた。
同社は1975年にラジオとして創立し、2004年からはテレビ放送も始め、現在は主にネット放送。作品にはテレビ放送時代に撮り溜めた映像や音声が散りばめられた。
冒頭、ラーモス移住地の故小川和己さんが和梨収穫を嬉しそうにコメントするシーン、サンジョアキンのリンゴ生産に協力した後沢博士に感謝する現地の人の言葉などから始まった。故池崎博文さんらが元気に語る様子、2015年に日伯友好120周年でご来伯された秋篠宮ご夫妻を聖州州政庁でお迎えする映像、矢野アメリアさんが今年主催した旅順丸110周年式典の本紙動画などが組み込まれて使われていた。
渡部和夫氏が移民史の最初、植木成彬氏がバストスの歴史、西尾ロベルト文協会長が日伯130周年、谷口ジョゼ県連会長が日本祭り、保久原ジョルジ元エスタード紙編纂委員が戦争中の日本移民迫害、故奥原康栄氏の息子の奥原常嗣氏はラジオ・サントアマーロの歴史、宮崎JICA所長がセラード開発を説明。井上徹也JETROサンパウロ事務所長らの証言に加え、JACTOの西村次郎さんの「父が会社を立ち上げる際にブラジルに助けられたことに感謝し、教育でお返しをすると学校を始めた。我々はその遺志を引き継いでいる」という感動的なコメントなども収録されている。
見終わった後、西尾文協会長は「日本移民がいかにブラジル社会に統合し、貢献してきたかがよく分かる。立派な仕事、ぜひ多くの人に薦めたい」との感想を述べた。宮城代表も「ブラジル中歩いてきた映像を使って歴史を紡いだ。移民史の結果としてブラジル社会と特別な絆が生まれた。それを子供や未来の世代に残すために作った」と締め括った。
映画の音楽ディレクターを務めた坂尾英矩さんに工夫した点を尋ねると、バトゥカーダ(サンバ打楽器)で童謡「さくらさくら」を演奏する曲を冒頭にし、最後は群馬県佐波郡玉村町在住のショーロ歌手の片山叔美さんの曲で締めたことだという。坂尾さんは「宮城さんは独自取材した映像をたくさん持っているから、このような作品が作れた。130周年の映像作品は他にないのでとても貴重」と誉めた。
聖州ガルサ市から出席した小川マサオさんは、「130年分の日伯関係が1時間にまとめられている。この条約があったから今がある。その歴史を未来に伝えるために映画は重要」と語った。
瀬名波美恵子さんは「1990年から2022年までラジオニッケイで、2004年からはTVニッケイで、パウロのパートナーを務めてきた。そのおかげで2019年からは独立して、TVウチナーを開設して続けている。パウロには心から感謝している」と語った。









