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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(286)

2025年11月13日


小池が最後に訪ねた時、品の良いお婆さんとベンチに腰掛け、二人で一冊の本を読んでいた。

「このお婆ちゃんとナモーラしているのヨ」

とクスクス笑っていた。

川崎三造は釈放後、サンパウロで一九七〇年代まで生きていたという。

彼がよく通っていた料亭の女給たちの話では「ごく普通の人で、とても、そんな悪人には見えなかった」そうである。

この二人には、あるいは人を操ることには、天性の才があり、そこに恍惚感を感じていたのかもしれない。


水野龍逝く


一九五〇年五月のある日、サンパウロのコンゴニャス空港に、一人の老人が降り立った。水野龍である。十年ぶりの帰伯であった。九十歳になってい...

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