森の夢
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=91
運平は深い溜息をついた。 「バウルーに行って買って来る。……グチを言うようだが、わしも悪かったが一言...2024年12月3日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=90
四月になっても病勢は下火になる気配はなかった。三日にとし子が息をひきとった。三月に死んだ政道の弟でや...2024年11月30日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=89
逸二は医師の言葉通り翌日の夜、死んだ。二才の誕生日を過ぎたばかりの智が一人残された。叔父の誠一が引き...2024年11月29日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=88
ペンナ駅で馬をあずけて昼食をした。ペンナの人々もトレス・バラス(平野植民地の所在地名)のマラリヤがひ...2024年11月28日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=87
「父ちゃん、お米が食べたい、と言って死によった。 やっと米がとれたがもう食べる力はなかったです。不憫...2024年11月27日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=86
左足の下駄が木の根にひっかかり、彼は転倒した。倒れたとき、切株の先で切ったらしく、起き上ると右手の掌...2024年11月26日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=85
朝、目覚るのが運平は怖しかった。今日は誰も死にませんように、と心から祈った。家は浄土真宗であるが、さ...2024年11月23日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=84
トボトボ歩きながら、今日は桃の節句だと想い出した。 去年グァタパラでは女の子がいる家で共同で雛祭りを...2024年11月22日