連載小説
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=22
スペイン娘と熱烈な恋を語るという夢はまだ色濃く若者の心に宿ってはいたが、たとえ外国語を喋って暮しても...2024年8月20日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=21
が、彼は割に平静だった。彼は儲ける心算でブラジルに来たのではなかったし、鈴木貞次郎にコーヒー園の仕組...2024年8月17日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=20
牧之段一家は三人で一袋しか摘めなかった。明日から段々馴れたとしても、とうてい移民会社が日本で宣伝した...2024年8月13日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=19
日本人は一妻多夫制かと思われたほど不自然な構成の家族すらあって、運平の目の前にいる二十一才の男と十九...2024年8月10日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=18
声をかけたのは牧之段愛熊という、二十一才の若者だった。彼の向う側に十九才の妻のツタと、妻の弟の十四に...2024年8月8日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=17
一応の要領を見届けてから、人々は家族毎に定められた畝に散っていった。樹が茂っているから見通しは利かな...2024年8月7日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=16
歩くほどもなく、すぐに今日の仕事場に着いた。五千本のコーヒー樹が車道で区切られて一単位の畑になってい...2024年8月6日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=15
運平は首を振った。 「便所はないよ。その辺の木陰でするのだそうだ。すぐ、放し飼いのブタが来て、片付け...2024年8月3日