《ブラジル》経常収支=11月は65億ドルの赤字=月間、累積共に昨年比で増=貿易収支の減額が響く

中央銀行が22日、11月の経常収支は65・22億ドルの赤字で、同月としては14年の98・20億ドル以来の高額と発表したと22、23日付現地紙、サイトが報じた。
11月の赤字額は昨年同月の24・63億ドルの約2・6倍で、貿易収支の42億ドル減額が響いた。
12カ月間の赤字額は308・42億ドルで、国内総生産(GDP)の1・92%だった。12カ月間の赤字額と対GDP比は、10月までの267・83億ドル(1・68%)や昨年同期の215・24億ドル(1・46%)を超えている。
それでも、赤字額の対GDP比はコロナ禍による経済活動低下で大幅に低下。昨年2月までの12カ月間の赤字は688・20億ドルで、GDPの3・72%を占めていた。
今年の累積赤字額は223・84億ドルで、昨年同期の160・34億ドルを上回る。年間累計は300億ドル以下の見込みだ。
貿易収支は輸出が昨年同月比で17・1%増の205・23億ドル、輸入は45・6%減の230・58億ドルで、25・35億ドルの赤字だった。昨年同月は16・85億ドルの黒字だったが、経済活動活性化で輸入が増えた。中国の牛肉禁輸も影響している。
サービス収支の赤字額15・90億ドルは昨年同月を10・3%(1・83億ドル)下回った。赤字減の主因は機器レンタル料の減少だ。レンタル料は石油や天然ガスの探査用品への一時免税や国産機器の使用増などで、昨年同月の7・53億ドルが4・83億ドルに減少。他方、輸送費は貿易量拡大で3・01億ドルから6・15億ドルに急増した。
ブラジル人が外国旅行で費やした6・18億ドルと外国人が国内で使った3・20億ドルの差(2・98億ドル)も、サービス収支の赤字増を招いた。昨年同月は1・44億ドルの赤字だった。
一次所得(利益と配当)の赤字額は昨年同月比で7・8%増の26・79億ドルだ。直接投資やポートフォリオ投資に関する一次所得の赤字は16・38億ドルから18・95億ドルに増えた。国外送金などの二次所得は2・82億ドルの黒字で、昨年同月の1・11億ドルより増えた。
直接投資は45・88億ドル、企業買収や利益の再投資なども含む資本は47・60億ドル増えたが、企業間投資は1・72億ドルの赤字だった。年間直接投資は30億ドルとなる見込みだ。