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カーニバルでコロナ増加?=ワクチン接種で死者は減少

2023年2月16日

感染者(上)と死者の動向(全国保健局長審議会公式サイトより)
感染者(上)と死者の動向(全国保健局長審議会公式サイトより)

 14日付エスタード紙に、今年のカーニバルは新型コロナウイルスのパンデミックが始まってからの3年間で、最も感染が沈静化した状態で行われるが、専門家は新型コロナ感染者が増加する可能性を否定していないとする記事が出た。しかし、重症者や死者はこれまでほどは増えないとも見ているという。
 カンピーナス大学の感染病専門医のラケル・ストゥッシ氏は「カーニバルの期間中にパレードなどに参加する人は予防接種を最低2度受けているはずだし、重症化リスクが少ない若者が多いから、感染者や重症者、死者が急増する可能性は低い」と見ている。
 ワクチン接種の進展で感染者や重症者、死者が減少している事を示す一例は、12日に新規登録の死者ゼロという、2020年3月17日以降、起きた事がなかった事態が起きた事だ。また、14日現在の死者の7日間平均は45人まで落ちている。この数字は感染第5波前に記録した28人には及ばないが、感染第4波と第5波の死者は感染者ほど増えておらず、カーニバル期間中もこの傾向が続くはずだ。
 14日は感染者の数も前日比で4174人減という、人為的なミスでなければ起こらない事も起きたが、これはその前に二重登録などが起きていた事に気づいて修正した結果と思われる。
 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が先週出した重度急性呼吸器疾患(SARS、ポ語SRAG)に関する報告書では、27の連邦自治体の内、23は症例が減少傾向にあるともある。
 これらの動きや見解の背景には、新型コロナのワクチン接種が進んだ事がある。新型コロナの感染や重症化、死亡例を抑制する効果は、ワクチン接種を速やかかつ広範囲に行うほど期待できる。
 他方、新型コロナの脅威がなくなった訳ではない事は、SARS患者の61・7%、同病死者の91%が新型コロナの罹患者だった事からも明らかだ。2度の接種未完了者や補強接種を受けていない人も相当数いる。
 マスク着用義務もかなり緩み、対面式の行事も増えたが、人が大勢集まったり、新たな変異株が入り込んだりすれば、感染拡大は起こり得る。27日からは新変異株対応型ワクチンによる補強接種も始まる。警戒、注意を忘れず、連休やイベント、人々との出会いを楽しんで欲しい。(み)


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