大物外国人セレソン監督は実現するか?

W杯での敗退から約2カ月。サッカーブラジル代表(セレソン)の監督がまだ決まらない。本来なら「1月には発表」とされていたが、新監督のめどが立たないまま2月も半分が過ぎた。
15日、ブラジル・サッカー連盟(CBF)は、監督人事を決定しないまま、次の代表招集試合日程を公開し、指揮官はU20監督のラモン氏が代行すると発表した。
この決断には多くのサッカー・ファンが驚いた。CBFがここまで本気で大物外国人監督の起用にこだわっているとは思っていなかったからだ。
CBFは次期セレソン監督のオファーを、世界的な大物監督にかけているとみられている。レアル・マドリッド監督のカルロ・アンチェロッティ氏や、ASローマ監督のジョゼ・モウリーニョ氏、マンチェスター・シティ監督のペップ・グアルディオーラ氏、元レアル・マドリッドのジネディーヌ・ジダン氏、前スペイン代表監督のルイス・エンリケ氏などだ。いずれも契約金だけで莫大な金がかかりそうな大物達だ。
いかにサッカー王国とはいえども、あまりに実現性の低そうな名前を前に、ブラジルのサッカー・ファンは「どうせ1月下旬にでもなれば、手頃な国内の監督に声をかけるさ」と冷やかし半分に見ていた。
ところが今回、CBFの外国人大物監督招集への執念は思った以上に強く、3月に行われる次の代表招集試合に関して、代理監督をあてがってまでも、交渉を続けていく意向を示した。
こうした姿勢は、これまでのCBFにはなかったことだ。それほどまでに、優勝候補筆頭と目されながら優勝を逃した昨年のW杯がCBFにとっては屈辱的だったということか。
現会長のエジナルド・ロドリゲス氏は、それまでの会長が汚職問題で次々と問題となった後に就任した人物。代表監督の選任に関しても「なあなあな姿勢はいけない」という強い思いがあるのだろう。それならば、今回の代表監督未定問題も好意的に受け止めて良いことだと思う。ぜひ大物監督の就任に期待したいところだ。
ただ、「結果を出すのは大物監督」ということでは必ずしもない。昨年のW杯を制したアルゼンチン代表のリオネル・スカローニ監督は本来、「次の監督が決まるまで」の代行監督で、結果が良かったのでそのまま監督に昇格した人物だったりもする。(陽)