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呉屋少将がサンパウロ州陸軍病院長に=ブラジル陸軍初の日系軍医将官

2025年4月3日

日本酒で乾杯した様子、右が呉屋少将(平崎さん提供)
日本酒で乾杯した様子、右が呉屋少将(平崎さん提供)

 陸軍軍医の呉屋セルジオ少将(60歳、2世)が3月27日、日系人としては初めてサンパウロ陸軍地域病院長(diretor do Hospital Militar de Área de São Paulo)に就任した。リベルダーデ友好会の平崎靖之会長は「就任式には予備役も含めて大将クラスが5人も出席していました。サンパウロ陸軍病院は、ブラジル陸軍最高の医療設備が整っており責任重大。日系人がそのトップに就任したことは我々の誇りです」と喜んだ。
 就任式は27日に第2軍管区司令部で行われ、100人以上の招待客が集まった。小室千帆首席領事、ブラジル沖縄県人会の知花ルイ会長や高良律正前会長も出席した。式の後、鏡割りが行われ、日本酒の入ったマスを手にした来賓らは、菊地義治元援護協会会長の音頭で乾杯をした。
 陸軍には21万人以上の人員がおり、その疾病治療、健康管理をするのが陸軍病院施設群だ。呉屋少将は2022年3月に少将に昇格し、ブラジリアの陸軍本部で医療部門のナンバー2陸軍医療副部長として活動してきた。今回はサンパウロ州管轄を任される病院長に抜擢された。軍医カテゴリーで最高階位は中将で、あともう一歩に迫っている。

厳かな就任式の様子、右側が呉屋少将
厳かな就任式の様子、右側が呉屋少将

 呉屋少将は、共に沖縄出身の父故セイコ氏と母故トミコ氏の元、1965年に南麻州カンポ・グランデで生まれた。南麻州連邦大学医学部を卒業、1990年1月に、陸軍将校候補生(医官)として第17機械化騎兵連隊(南麻州アマンバイ市駐屯)に入隊。1994年、陸軍衛生学校(ESSEx)の医官養成課程を修了、第一中尉に任官。2002年、将校医官向けの軍事研修課程を陸軍将校研修学校(ESAO)で修了。2013年、陸軍指揮幕僚学校(ECEME)にて医官向け指揮幕僚課程を修了し、第9軍管区地域医療部門長に就任。
 2015年、カンポ・グランデ陸軍地域病院の院長に任命された。2018年、リオ市の高等戦略軍事学校(ESG)にて「政治・戦略高等研究課程(CAEPE)」を修了し、ブラジリア駐屯の統合軍病院に配属。医療技術副院長に就任。2020年から2021年にかけてブラジリア陸軍地域病院の院長を務める。院長職を退任後、陸軍医療本部に異動し、作戦調整センターの副部長に就任。2022年、将官として陸軍医療副部長に任命された。

リベルダーデ友好会の平崎靖之会長ら慶祝に集まった来賓と呉屋少将
リベルダーデ友好会の平崎靖之会長ら慶祝に集まった来賓と呉屋少将

 平崎さんは「日系軍医で初めて将官になったのは空軍の金城少将(現在予備役)。陸軍では呉屋少将が一人目。しかもサンパウロ州地区病院長はまったくの初めて」と称賛した。


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