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26年大統領選=タルシジオ待望論が強まる=セントロンや農業関係者の間で=前大統領の支持判断次第も

2025年6月26日

ボルソナロ氏とタルシジオ氏(Alan Santos/PR)
ボルソナロ氏とタルシジオ氏(Alan Santos/PR)

 中道勢力セントロンや農業関係者などの間で、ボルソナロ前大統領に対し、来年の大統領選に関して、自身の後継者としてタルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事を早く正式に指名するよう願う声が強まっている。

 ボルソナロ氏は早い時期から、来年の大統領選に出馬する意思を示しており、世論調査でも、現時点ではルーラ氏を抑えて当選するとのシミュレーション結果が出ている。
 だが、同氏は選挙法違反で8年間の被選挙権剥奪を2件で受けている上、今年下半期に行われると見られているクーデター計画疑惑の裁判でも有罪になることが予想されている。
 22日付メトロポレス(1)によると、こうした状況下、連邦議会最大勢力のセントロンがボルソナロ氏に対し、出来るだけ早期に、タルシジオ氏支持を表明するよう求め始めているという。
 現在のボルソナロ氏は被選挙権回復とクーデター計画疑惑の裁判に関して、最高裁や連邦議会でその可能性が実質的に葬り去られたことを自覚して現実的な考え方をし始めていると、セントロン政党のリーダーたちは判断しているという。
 セントロンとしては、ルーラ政権の支持率が低い現在、聖州知事としての支持率が高く、金融街ファリア・リマの受けも良い、さらに拒絶率の高くないタルシジオ氏は政権交代の一番手との見方をしている。だが、タルシジオ氏が大統領選に出馬するには、来年3月末までにサンパウロ州知事を辞職しなければならないと法律で規定されている。
 その場合、ボルソナロ氏が出馬を断念する、あるいはボルソナロ氏が出馬登録を行ってそれが認められない場合の副候補としてタルシジオ氏を据えておく必要があるが、ボルソナロ氏の判断が遅れると、それが不可能となってしまう。
 タルシジオ氏はヒエラルキーに強いこだわりを持っているため、自身が連邦政府のインフラ相時代の大統領だったボルソナロ氏に逆らうことになる行為を行うとは考えにくい。さらに、タルシジオ氏も本音ではサンパウロ州知事を継続したがっていると、以前から報じられてもいる。
 他方、24日付フォーリャ紙(2)によれば、ボルソナロ氏の強い支持母体として知られている農業界も、ボルソナロ氏が大統領選出馬を諦めてタルシジオ氏を推薦することを願っているという。
 それによると、サンパウロ州プレジデンテ・プルデンテで行われた食肉業界の見本市「フェイコルテ」の初日に関係者の間で大統領選が話題になり、牧場主たちや農業関連団体の代表者たちの口から次々とタルシジオ氏を大統領候補にと望む声が上がったという。
 そのうちの一人がフォーリャ紙に語ったところによると、ボルソナロ氏が2018年大統領選でのルーラ氏と同じ戦略を立てる場合は、同年選挙では早くからフェルナンド・ハダジ氏が副候補だと打ち出されていたことで同氏が健闘できたように、ボルソナロ氏も同様の対策が必要と主張している。
 ボルソナロ氏に代わる大統領候補としてタルシジオ氏を推す声が強まっている背景には、後継者の有力候補としてみられていた前大統領三男のエドゥアルド休職下議の米国からの帰国が見えず、来年のいずれの選挙に出馬するかのめどが立たないこともある。


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