JICA協力隊員リレーエッセイ=ブラジル各地から日系社会を伝える(56)世代を超えて学び育つ文協の力=インダイアツーバ日伯体育文化協会 手塚楓
2024年5月より、サンパウロ州インダイアツーバ市で日本語教育隊員として活動しています。インダイアツーバ市はサンパウロから北西へ車で約2時間の場所にあり、以前は日本人移住者によるトマト栽培で栄えた町です。現在は農機具メーカーなどが進出し産業構造が変化しています。ブラジルの治安のよい町ランキングの上位に入ったほど、穏やかで住みやすい町です。
配属先はインダイアツーバ日伯体育文化協会(以下、文協)が運営する日本語学校です。文協にはグラウンドやテニスコートなどの施設があり、子どもの野球チームは海外遠征や国際大会にも参加するなど活躍しています。
学校には8歳から80代まで幅広い年代の生徒が通い、それぞれの目的で日本語を学んでいます。現在は大人の学習者が多く、シニアクラスも人気です。
子どもの数は多くありませんが、毎年ブラジル日本語センター(CBLJ)のコンクールやテスト、日本語能力試験(JLPT)に挑戦するなど意欲的です。昨年はスピーチコンテストで入賞した生徒もいました。
私の主な活動は、教材作成や授業、発表指導です。古い教材のデータ化や修正、新しい教材の作成に取り組むほか、踊りや歌、作文発表、コンクールに向けた絵の指導も行っています。
初めて指導することが多かったのですが、リコーダーやソーラン節など自身が小学生だったころを思い出しながら練習し、指導につなげています。
昨年の修了式では一人一つ以上の発表を目標に、生徒自身が内容を決めて準備しました。練習の中でストレスや不安を感じる生徒がいましたが、日本語で発表できたら素敵だし、大丈夫だと伝え、練習を続けてもらいました。修了式当日、緊張しながらもステージに上がり、堂々と発表し、練習の成果が発揮できていました。努力して得た成果や、家族や観客から褒められたことに自信をもって、今後も日本語の勉強を頑張ってほしいと思います。
学校だけでなく、文協のイベントにも参加しています。先日、年に一度行われる施設整備がありました。通路の穴埋めや木の剪定、高所の清掃など現代の日本では業者に依頼するようなことも、会員の力を合わせて作業が行われました。集まった人も「日本の心だよね」と協力することを大切にしていました。
また、別の日には、若い世代が長い間行われていなかったイベントを復活させ、昔の形を残しつつも今の時代に合わせたものを取り入れ、新しく作り変えている様子が見られました。ブラジルと日本の文化を取り入れ、どの世代でも楽しめる企画をし、遂行する力があります。若い力が加わり、新しい世代に受け継がれていく文協が今後どのように発展していくのか楽しみです。








