文芸
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=17
一応の要領を見届けてから、人々は家族毎に定められた畝に散っていった。樹が茂っているから見通しは利かな...2024年8月7日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=16
歩くほどもなく、すぐに今日の仕事場に着いた。五千本のコーヒー樹が車道で区切られて一単位の畑になってい...2024年8月6日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=15
運平は首を振った。 「便所はないよ。その辺の木陰でするのだそうだ。すぐ、放し飼いのブタが来て、片付け...2024年8月3日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=14
星明りの下に、黒々と蛇腹のようにうねって、長屋が幾つも並んでいた。近付けば近付くほど、それが粗末は小...2024年7月31日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=13
停車場の前に牛車が二台待っていた。車輪が大人の丈ほどもあって、一台を八頭の牛で曳く大掛りな牛車だった...2024年7月30日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=12
だが実務家的な面もあった。農場入りに備えて日常単語をコツコツと覚えておいたのも、その一面である。それ...2024年7月27日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=11
今までの彼は、なるべく運平と視線を合わさぬようにしていた。 西は笑いながら、 「仲良くやりましょう」...2024年7月25日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=10
だから、皇国移民会社の通訳募集に応じたのもブラジルに興味があった訳ではなく、ましてや移民事業に共鳴し...2024年7月24日