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ジノ最高裁判事候補=上院で強い反発の動き=承認は有力視されるも=法相の後任候補は4人

2023年11月30日

ジノ氏(Wilson Dias/Agencia Brasil)
ジノ氏(Wilson Dias/Agencia Brasil)

 【既報関連】フラヴィオ・ジノ法相がルーラ大統領から最高裁判事への指名を受けたことに関し、承認は予想されているものの、反対派から強い拒否反応が起こっている。他方、ジノ氏が法相を離れた後の後任選びも加速化している。29日付フォーリャ紙(1)、グローボ紙(2)、カルタ・カピタル(3)などが報じている。
 ジノ氏の最高裁判事承認のための上院でのサバチーナ(口頭試問)は12月13日に行われることに決まっている。
 サバチーナは憲政委員会(CCJ)で行われるが、テラサイトによると、27人いるCCJの委員の内、すでに9人が承認の意を表明している。CCJでの承認に必要なのは14票のため、あと5人の承認で済むことになる。本会議での承認も、81人中の41人の賛成を得ればよい。
 また、ボルソナロ前大統領が指名したアンドレ・メンドンサ氏のサバチーナを数カ月間先延ばししたCCJ委員長のダヴィ・アルコルンブレ上議(ウニオン)が今回は早めの設定を行うなど、その態度にも前向きな姿勢が伺われている。
 だがCCJにはボルソナロ前大統領の長男フラヴィオ上議(自由党・PL)、熱心なボルソナロ派として知られるマルコス・ド・ヴァル上議(ポデモス)、ラヴァ・ジャット作戦元判事としてルーラ大統領に実刑判決を下し、ボルソナロ政権では法相も務めたセルジオ・モロ上議(ウニオン)などがおり、激しい議論が予想されている。
 CCJ以外でもロジェリオ・マリーニョ上議(PL)やダマレス・アウヴェス上議(共和者・RP)といったボルソナロ派の議員らが上院での投票で反対票を出すよう呼びかけ始めている。
 また、グローボ紙によると、上院の福音派グループがジノ氏の就任に強い反対を示すネガティヴ・キャンペーンを行っている。彼らが懸念しているのは、ジノ氏が以前、ブラジル共産党(PCdoB)に所属していたことだ。共産主義者は反宗教的なイメージが強いためだ。
 そうしたこともあり、ジノ氏の側近は現在、1月8日襲撃事件の両院議会調査委員会(CPMI)で委員長を務めたエリジアーネ・ガマ上議(社会民主党・PSD)に福音派を説得するよう、協力を求め始めている。
 他方、ルーラ大統領は、ジノ法相に代わる法相候補を早く選ぶよう、側近たちから求められている。それは、ジノ氏が最高裁判事の件での上院との交渉で忙しくなることが予想される上、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)への出席などで国外にいるルーラ氏が帰国するのが12月5日と遅いためだ。
 ジノ氏が法相としての業務ができない間は法務省ナンバー2のリカルド・カッペリ氏が代行することが当然視されているが、今後のことも含め、早めの決断を求める声が強くなっている。
 後任法相の候補には、既にメディアが報じているシモーネ・テベテ予算企画相の他、連邦総弁護庁(AGU)長官のジョルジェ・メシアス氏、労働者党(PT)党首のグレイシ・ホフマン氏、COP28などでルーラ氏に帯同している元最高裁判事のリカルド・レヴァンドウスキー氏の名が挙がっている。


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