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タンケ地区日本人会=母の日祝賀会で楽しい一晩=持ち寄り、太鼓、舞踊にタンケ劇で

2025年7月10日

笑いの絶えないタンケ劇の一幕
笑いの絶えないタンケ劇の一幕


 サンパウロ州アチバイア市タンケ地区日本人会(薬師寺会長)は5月31日(土)、第40回「母の日祝賀会」を行った。タンケ地区では5月に「母の日」と11月に「父の日・子どもの日」と、年に2回、皆でお祝いをすることが恒例となっており、今回も100人以上の老若男女が集まった。
 楽しみのひとつはみんなで食べる夕食。「タンケの持ち寄り料理が一番!」という人が多く、炊き込みご飯、お寿司、おでん、煮しめなどなど持ち寄りの家庭料理のオンパレードに加えて、日本人会が用意するシュラスコと、美味しい料理に皆、舌鼓を打った。
 「母の日祝賀会」の出し物は、アチバイア川筋清流太鼓の演奏に始まった。力強い太鼓の音色、やさしい篠笛のメロディーやチャッパのリズム、気合いの入った掛け声、そして観客の手拍子。アチバイアの夜に太鼓は欠かせない。
 また、今年からお稽古開始したアチバイアダンス部(瑞清社中)の日本舞踊も盛り上がりを見せた。「聖闘士星矢」や「鬼滅の刃」などのアニメソングにあわせて扇が舞う姿は美しく、指導者の東史子さんは「気軽に見学や体験に来てください」と熱く語った。
 そして、トリを務めるのは毎回、日本語で行われる演劇だ。日本語が苦手な人も増えたが、音楽や効果音も工夫して、よりわかりやすく皆が笑えるように工夫している。衣装も派手に楽しく、演者それぞれが自分の衣装に工夫を凝らすため、統一感がない場合が多いが、それも「タンケ劇」でしか見ることができない「日系社会の味のある素敵な失いたくないもの」のひとつではないだろうか。
 今回の演目は『ねずみの嫁入り』で、皆大笑い。小さくて弱いネズミ家族は、世界で一番強いものと娘を結婚させようと旅にでる。スーパーマンの音楽と共にタンケスーパーマンが登場。お父さんネズミは娘と結婚してほしいと頼むけれど、もっと強い太陽が『真っ赤な太陽』にのせて現れる。スーパーマンより太陽の方が強いけれども、それよりも、雲の方が強いというお馴染みの話を少しアレンジしたお話だ。
 それぞれ「ネズミ、タンケスーパーマン、太陽、雲、風、壁、ネズミの青年、妖精、タンケの娘ドレス姿」と登場人物が効果音や音楽に合わせて現れる度に、会場が笑いの渦に包まれた。お話の結末は、ハッピーエンド。
 ネズミが一番強いとわかり、妖精が現れ、ネズミの青年と娘の結婚をみんなでお祝いするという最近お決まりのパターンで幕を閉じた。演劇は準備や練習も大変だが、今後も年に2回、出来る限りは継続していくと杉野孝さんと青山明正さんらはニコニコと熱い思いを語った。
 母の日のお祝いケーキが足りなくなるのではないかと心配するほど、人が多く、たくさんの笑顔が集まる楽しい会となった。(マイリポラン、横溝みえさん投稿)


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