外務省研修生OB会新役員就任式=女性初の中野マルシア会長

日本国外務省研修生OB会(早川ロドリゴ会長)の2025―26年度の執行部就任式が、6月27日午後7時からブラジル日本文化福祉協会の貴賓室で開催され、女性初となった中野川瀬マルシア新会長をはじめ、新執行部のメンバーが発表された。パラナ州などからもOBが出席し、林禎二大使がメッセージ動画を送るなど新しい門出を祝った。
1965年に外務省が開始した、ラテンアメリカの日系社会で将来リーダーになることを期待されている人物を日本に招聘する研修事業に参加した人の同窓会だ。司会の上原テリオさんは「この60年間でブラジルから約300人が参加し、そこから一般社会や日系団体幹部として活躍するメンバーが輩出されてきた」と紹介した。
最初に最近亡くなった呉屋春美さん、大原毅さんに黙祷が捧げられ、日伯国旗入場、両国歌斉唱に続き、第1回研修生で唯一存命の渡部和夫さんが「1965年は、コロニアでは新幹線が走っているのを自分の目で見た人がほぼいなかった時代」と前置きし、「当時の研修で訪日航空チケットは片道だけ。帰りの旅費を自分で払ってでも行きたい人だけが参加した」との思い出を語ると来場者は驚きの声を上げた。
西尾ロベルト文協会長は「研修生としての訪日体験がその後の人生を変えるという話は色々な人から聞いた。この制度が長続きして将来の日系社会リーダーがこの制度から次々に生まれることを祈念する」と挨拶した。
この7月に帰国する小室千帆首席領事は「ぜひ日本でお会いしましょう」と呼びかけた。早川会長は「先日、OB会として佳子さまからご引見を受け、心から誇らしいと感じた。会長という役職を拝命し、大変名誉だった。マルシアの成功を祈りたい」と退任の挨拶をし、在任中に迷惑をかけた妻と子に花束を渡した。

日系人初の司法高等裁判所判事、上田雅三さんが新会長の経歴を紹介した後、中野マルシア新会長は「外務省研修生制度が60周年を迎え、日伯友好130周年という記念すべき年に、会長職をお引き受けすることとなり、身の引き締まる思い。この重責を引き受けることは、決して簡単な決断ではありませんでした。初の女性会長となること自体が一つの大きな責任ですが、それ以上に、より多くの女性がリーダーの立場に立てるような道を拓く機会でもあると信じています。この制度がこれまで多くの方々の人生やキャリアにどれほどの影響を与えてきたか、その大きな意味と重みを感じています」と語った。
【25/26年度外務省研修生OB会役員一覧】
会長=中野川瀬マルシア、奨学金担当理事=前田ファビオ、副会長=山本アルヴァロ、会計=松本フェルナンド、会計補佐=水本マテウス、書記=福原マリナ、書記補佐=松本ルシアノ、会計監査役=宮崎マウリシオ、野村ジョーゴ、野村ショウジ、会計監査補佐=青山ルイス、コジ・ヤマグチタ、白石マルセロ、タノモシ担当理事=上村ジャイロ、社会活動担当理事=富岡エリカ、文化担当理事=村上パトリシア、プロジェクト担当理事=セーザル・ユキオ、正岡ジュリアーネ、有村ユウゾウ、広報・マーケティング担当理事=タイセ・オギド、山内エリカ、渉外担当理事=桂川富夫、平岩ジョルジ、間部ジュン、上村ケンゾウ、対外関係担当理事=ロドリゴ・グラールト、2026年ラ米大会担当理事=キャロル・アヤコ、日本訪問担当理事=外塚ジョルジ、サンパウロ州地域担当理事=川瀬アレシャンドレ、ロンドリーナ地域担当理事=富永エドゥアルド、マナウス地域担当理事=アレシャンドレ・ヒサヤス、リオ地域担当理事=西森フランシネ、ブラジリア地域担当理事=岩野セイチ