Brasil Nippou Gourmet Banzai!!=著名人のカリカチュアが並ぶ名店=サンパウロの老舗イタリアン=レリス (Lellis)
サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ地区にあるイタリア料理店「レリス(Lellis)」は、1981年創業の老舗カンチーナ(昔ながらのイタリア系レストラン)だ。政治家や芸能人、世界的ミュージシャンまで数多くの著名人が訪れる名店として知られ、店内の壁には約800枚ものカリカチュア(似顔絵)が飾られている。フォーリャ紙の風刺画家が描いた作品が多く、まるで小さな美術館のような雰囲気でもある。
店は4つのホールに分かれ、最大260人を収容。全館エアコン完備で、ベビールームやバリアフリー設備、Wi-Fi、隣接する駐車場など設備も充実しており、家族連れでも安心。温度管理されたワインセラーには世界各国のワイン約230種類、7000本以上が保管されている。また、最新の設備として配膳ロボットも導入されており、注文した料理が機械で運ばれてくる光景は、老舗の趣と現代の利便性が融合したユニークさである。
現在店を率いるのはオーナーのジョアン・ゴウベイアさん(74)。意外にもイタリア系ではなくポルトガル系だという。若い頃、イタリア料理店の質のばらつきに疑問を感じたことがきっかけで、本場イタリアへ渡りパスタやワイン、食文化を徹底的に研究。それは今日まで続いている。その経験をもとに、1984年にこの店を買い取り、イタリアの基準をブラジルに持ち帰った。
創業当初は18テーブルほどの小さな店で、1日の来客は250人ほど。それが現在では昼夜合わせて最大4800人が訪れる日もあるというから驚きだ。人気の理由は、伝統を守りながらも研究を続ける姿勢にある。メニューはパスタとチーズや肉、ソースを自由に組み合わせる方式で、以前は1万2000通り以上の料理が作れたという。
看板料理は「フィレ・ア・パルミジャーナ」。やわらかな牛フィレ肉にトマトソースとチーズを合わせたブラジル人も大好きな豪快な一皿。パスタではカラブレーザ入りのタリャリーニ・ナポリターナや、魚介のスパゲッティが特に人気。リングァード(舌平目)やエビなどの魚料理も豊富で、日本人客にはシーフード系が好まれている。
最近登場した新メニューが「フィレ・カンドンブレ」。牛フィレ肉にハムとチーズを詰めて揚げ、マデイラソースとマッシュルームを添えた料理で、ギリシャ風ライスとポテトを添えたボリューム満点の一皿だ。
ワインへのこだわりも強く、オーナー自身がフランス、スペイン、ポルトガル、チリなどの産地を訪れて畑や醸造を確認し、納得したものだけを仕入れている。
これまでにポール・マッカートニー、ブラジルの人気歌手ロベルト・カルロスなど世界的なスターも来店。さらに日本の政府要人や皇族が訪れたこともあり、その際は2階のフロアを貸し切りにしたという。
料理は大皿で提供されるため、数人でシェアするのがおすすめで価格もリーズナブルに。サンパウロで本格イタリア料理を味わうなら、ぜひ訪れておきたい一軒が「レリス」。人気のシーフードパスタや具とソースが自由に選べるラビオリなど、ワイングラスを揺らしながらゆっくり楽しんでみてはいかがだろうか。








