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モジ秋祭り開会式盛大に=2週末開催、文化遺産に指定=日系社会と地域の結束示す

2026年4月15日


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 モジ・ダス・クルゼス文化協会(以下モジ文協、津田フランキ理事長)が主催する「第39回秋祭り」(青柳ダニエル実行委員長)が11日(土)に、同スポーツ・センター(Av. Japão, 5919, Porteira Preta)で開幕した。18~19日までの2週末に渡って開催され、昨年の14万2千人を上回る人出を見込んでいる。初日11日昼からステージで開会式が行われ、マリア・ベルタイオリ(Maria Luisa Piccolomini Bertaiolli)市長や市議らを始め、多くの協力者や関係者が参列した。

 国内最大級の日系コミュニティを抱え、「緑の地帯(Cinturão Verde)」と称されるモジ市が、今年も収穫の喜びに沸いている。式典の幕開けに、会場に響き渡ったのは日伯の両国国歌だ。地元合唱団の澄んだ歌声が、秋の気配を含んだ涼やかな風に乗って、かつてこの赤土を耕した先駆者たちへの鎮魂歌となって響いた。

 今年のテーマは「絆」。津田理事長は、青柳ダニエル実行委員長に信頼の眼差しを向けつつ、「ボランティアの協力なしには何も成し遂げられない」と声を詰まらせた。その感謝の輪は、今年、一人の特別な「非日系人」を名誉総裁(パトロノ)に迎えることで、さらなる広がりを見せた。

 名誉総裁に選出されたのは、地元実業家のヘンリッキ・ボレンシュタイン氏(Henrique Borenstein、90歳)だ。ウクライナから戦火を逃れてブラジルへ渡った移民の息子として、エリオ氏はこの町で生まれた。1919年にモジへの日本移民が始まって以来、ボレンシュタイン家は日系社会と歩みを共にしてきた。

 日系人以外のパトロノ就任は史上初。それは、日系コミュニティが地域社会と分かちがたく結ばれ、町の精神的支柱となった進化の証しでもある。津田理事長が自身の体験談として壇上で語った、次の「農村における電話の開通」エピソードは、農業の近代化がもたらした革命を象徴するものだった。

 「かつて農村は孤立していた。だが一本の電話線が通った瞬間、生産者は直接市場と交渉できる力を得た。それは生活を変えるだけでなく、農家の尊厳を取り戻す戦いでもあった」。農業融資を通じて日系農家を支え続けたボレンシュタイン氏は、「日本人のように団結して働けば、ブラジルの未来は明るい」と返礼の挨拶を力強く結んだ。異なる背景を持つ者が「仕事」を通じた信頼で結ばれる――その姿こそが「絆」の真髄だ。

 この信頼の歴史は、今や公的な「遺産」へと昇華した。ベルタイオリ市長は、秋祭りを市の無形文化遺産に指定する政令「第24・289号」に、その場に立ち会った市議らと共に署名。行政が伝統を法的に保護するこの決断は、政治の変遷に左右されず、次世代へバトンを繋ぐための強固な盾となる。署名に立ち会ったマルコ・ベルタイオリ(元市長、Marco Aurélio Bertaiolli)聖州会計検査院顧問ら地域の重鎮たちも、一致団結してこの「レガシー」を祝った。

 式典の締めくくり、伝統の「鏡開き」が行われた。乾いた木槌の音が会場に響くと、参列者の歓喜が爆発した。「カンパイ(乾杯)!」の声が重なり、会場は一体感に包まれた。

 その音は、これまでの39年への感謝であると同時に、来たるべき「40周年」へと続く新たな門出を告げる希望の号砲であった。



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