県連ふるさと巡り北パラナ編=活気ある伝統的な日系社会(2)《マリンガー》=心のこもった歓迎で感激
続いて一行は、三角錐型で高さ120mの独特な建築で知られるカトリック聖堂(Catedral Basílica Menor Nossa Senhora da Glória)を訪れた。入口に立ち、首が痛くなるほど見上げてようやく、その頂に掲げられた十字架が天を指しているのが見えた。
観光客だけでなく、地元の人々と思われる老若男女が次々と教会へ足を運び、静かに祈りをささげていく。入口でそっと腰をかがめ、礼をしてから中へ入る姿はどこかヨーロッパを思わせ、慎ましさが印象に残った。サンパウロでも教会の前で十字を切る人の姿は見かけるが、ここではそれ以上に信仰が生活に深く根づいていることが感じられ、「生きている教会」という言葉が自然と胸に浮かんだ。
にわか雨がぱらつく中、一行はさらに浄土宗マリンガ日伯寺へと向かった。本来であれば僧侶から由来を聞きたいところだったが、本堂で焼香を済ませると足早に後にすることになった。初めて訪れた記者は、敷地内にあることで知られる高齢者施設「和巡会」をひと目見ようと歩き回り、ようやく写真に収めてからバスへ戻った。
夜7時過ぎ、一行はマリンガ文化体育協会(ACEMA)に到着し、塩崎アフォンソ会長らの温かな出迎えを受けた。まず、同地の東本願寺の了若夫(りょう・わかお)アレシャンドレ住職による先没者法要が、静かな祈りに包まれて営まれた。法話では「先駆者に感謝しながら故郷を巡る旅は尊い。故郷とは場所ではなく、人の心に宿るもの。訪れることでその思いが呼び覚まされる」と語り、「遠くない未来、私たちも祖先の列に加わる」と手を合わせた。
14年間会長を務める塩川氏は「マリンガは兵庫県加古川市と姉妹都市提携を結んで57年、交流を重ねてきた。ここは日本のカケラ(pedaços do Japão)だと思う」と述べ、一行を歓迎した。谷口県連会長は、1939年の入植から1947年の日本人会設立を経て文協へと発展した歴史に触れ、「県連60周年の節目にこのような歓迎を受け、忘れられない一夜になる」と感謝を述べた。
市議として34年、副市長も務めた細川マリオ氏は「この町では至るところに日本を感じられると思う。私の祖先は高知県から来た。県人会を守り続ける皆さんに敬意を表したい」と語った。
三井靖広在クリチバ総領事は「この町が大好きです」と切り出し、「昨年6月にはここで佳子内親王殿下を迎えた。殿下も大変気に入られていた」と振り返り、「明日は文協婦人部に在外公館長表彰を贈る」と述べた。
多忙の合間を縫って姿を見せた西森ルイス下議は「県連や県人会の存在は誇り。マリンガ日本公園の魅力をサンパウロでも広めてほしい」と呼びかけた。佐藤ジルセウ評議員会長の発声で乾杯が行われ、会場は和やかな空気に包まれた。
テーブルには婦人部が前日から準備した料理が並び、参加者は舌鼓を打った。婦人部長の佐藤エレナさんによると、メインは「バーベキューソースがけ豚スペアリブ(costelinha de porco com molho barbecue)」で、「イベントのたびにリクエストをいただく定番料理です」と笑顔を見せた。サツマイモ麺を使った焼きそば風の一品も好評を集めた。
参加者の石井和枝さん(2世)は「本当に素晴らしい集いでした。とくに料理がとてもおいしかった」と満ち足りた表情で語った。(続く、深沢正雪記者)








