連載小説
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=70
そう考えた瞬間、浩二は、渾身のバネを効かせた鉄拳を相手の胸板に衝き込んだ。精一杯の一撃だった。が、映...2023年11月1日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=69
69 近所のものに経緯を知らせに行き、遅れた山路は馬で駈けつけてきて、狼藉者の前をふさいだ。先頭を歩...2023年10月25日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=68
と、忠告した。当然すぎる助言であったが、入植者たちは一応納得して帰り、それぞれ棉摘みに精を出した。約...2023年10月24日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=67
「反抗すると撃つぞ」 別の兵が銃をかまえた。律子たちはなすすべを知らず、おどおどと震えている。黙って...2023年10月21日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=66
昨年、山を焼いた後の湿地には焦げ死んだ鰐が見つかった。中央部の水溜りには生き残った何匹もの子鰐が水を...2023年10月18日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=65
そう言う父の言葉も、隆夫さんの愛国心も痛いほどよく解るわ。だけど私たちは外国に住んでいます。ここは養...2023年10月17日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=64
と、我々の活動を理解することもなく、むしろ嘲けられると、こちらも売り言葉に買い言葉で、祖国存亡の危機...2023年10月14日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=63
律子への手紙 しばらく御無沙汰してしまった。自活の道が拓らけてから便りするつもりでいたが、これでいい...2023年10月11日