連載小説
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=89
祖国を愛した母は、遠隔の地で日本の敗戦を知った時、貧血を起こして何日も寝込んだという。私はブラジル生...2024年2月1日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=88
「切開して見なければ解らない。ただの潰瘍かもしれない。でも、一日も早く手術をしなくてはならないことは...2024年1月31日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=87
三年前、私たち六家族が入植したこのカラムルー植民地は、すでに両側が開墾され、今では六〇家族の棉作地帯...2024年1月30日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=86
律子の憂鬱 荒っぽい独りよがりの手紙ではあったが、隆夫を取り巻く人びとの心境がある程度読めるものだっ...2024年1月23日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=84
隆夫はカフェランディアの地理に詳しいから、町の敗戦論者で農産物仲買商の楠野某を狙うように命ぜられ、山...2024年1月16日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=83
一週間が十日となり、一カ月過ぎても船影は見えなかった。家族を抱えての宿屋住まいには負担が大きい。南洋...2024年1月13日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=82
山路は憤慨して、その場を去った。彼は次々と配られてくる戦勝ニュースを信じていた。同胞が抱いていた落胆...2024年1月12日
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小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=81
戦争勝組 その時、表の玄関から、賑やかな男たちの声が聞こえてきた。 「昨日は所用で町へ行き、昼食を松...2024年1月10日
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