駐ベネズエラ・アルゼンチン大使館に手榴弾!=企てた3人逮捕、意図は?

南米ベネズエラの内務・法務・和平担当大臣で、政権ナンバー2のディオスダド・カベロ氏は14日、ブラジル政府の管理下にある駐ベネズエラ・アルゼンチン大使館に対する手榴弾攻撃を企てていたとされる人物を逮捕したと発表した。この攻撃の目的はニコラス・マドゥーロ政権を非難し、ベネズエラ政府に責任を負わせるためだったと主張していると、同日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が報じた。
カベロ氏は記者会見で、「数日前、アルゼンチン大使館に手榴弾や爆発物を投げつけようと計画していた賊を、諜報活動の一環で逮捕した」と述べた。攻撃の目的は「中にマドゥーロ反体制派の人々がいるアルゼンチン大使館が攻撃されることで、ベネズエラ政府が国際的な非難にさらされるように仕向けた」と述べた。
マリア・コリーナ・マチャド元下議の一派に所属する6名の反体制派は、3月からアルゼンチン大使館に避難中だ。彼らには逮捕状が出されており、元大統領候補のエドムンド・ゴンザレス氏にも同様の措置が取られ、8日にスペインへ亡命した。カベロ氏は会見中、彼らを「反体制派のテロリスト的な犯罪者」と称し、大使館内で「難民として」滞在していると表現した。
また、今回の攻撃を画策した容疑で逮捕された3人の男の写真が公開され、「野党『大衆意思党』の主要幹部ヒルベル・カロ氏と関係のあるネットワークに関与していた」と説明した。カロ氏は、マドゥーロ政権に対する反体制活動を行っていると見なされ、これに対して政権から厳しい弾圧を受け、これまでに何度も逮捕や拘束をされている。
アルゼンチン大使館は、8月初旬からブラジル政府が管理し、代理を務めている。アルゼンチン外交官がベネズエラ大統領選におけるマドゥーロ勝利に疑問を呈したことで、ベネズエラから追放されたためだ。
1週間前、ベネズエラの警察と政府情報機関が大使館を包囲し、電気が遮断された。数日間にわたり、水以外の物資の受け取りを許可せず、食料などの供給を制限。この状況は、ブラジル政府の関係者がベネズエラ政府と交渉を行ったことで解決された。
さらに7日には、ベネズエラ政府はブラジル政府に対し、アルゼンチン大使館の管理権限を取り消すとする通知を送付。これに対して、ブラジル政府は他の国に権限を引き継ぐ必要があると表明し、その代替国の指名が公式に決定されるまで、その責任は引き継がれないと主張した。
その後、ベネズエラ政府はアルゼンチン大使館が「テロ活動」やマドゥーロ大統領およびデルシー・ロドリゲス副大統領に対する「暗殺の試み」の計画に利用されているという「証拠」を持っていると主張した。
カベロ氏は同日、「国を不安定化させ、暴力行為を引き起こす」計画に関与しているとし、米国人3人、スペイン人2人、チェコ人1人を逮捕したと発表。(4)
ゴンザレス氏亡命を受け入れたスペイン外務省の関係者は、ベネズエラからの政治的混乱に関与しているという主張を「完全に否定」し、逮捕された2人のスペイン人は国家情報機関のメンバーではないと述べた。スペインはベネズエラの状況に対する民主的で平和的な解決を支持しているとした。