大阪万博で演奏を披露=ピニャール飛翔和太鼓

聖南西地区のコロニア・ピニャール文化体育協会(徳久俊行会長)の太鼓部「飛翔」メンバー6人が3日、大阪・関西万博で演奏することを伝えるために、編集部を訪れた。飛翔太鼓は全伯大会で2013年、15年、17年と3回も優勝したチームだ。2014年には日本の全国ジュニア太鼓コンクールで50チーム中の5位、16年には3位、18年には4位になるなど、その実力は日本でもお墨付きだ。
サンパウロ州サンミゲル・アルカンジョ市のコロニア・ピニャール移住地は、JICAの前身である移住振興会社の直轄移住地として開発され、1962年12月に福井県から3家族14人が第一陣として入植したことから歴史が始まったため、別名「福井村」として知られる。
編集部を訪れた中原一男チームリーダー(26歳、3世)は「今回の訪日をすごく楽しみにしています。今まで日本に行くのは大会参加のためで、ゆっくり日本を見ることができなかった。今回は福井県からの招待で、しっかり交流をしてきたい」と笑顔を浮かべた。現在もメンバーは14人、週4回2時間の練習を欠かさず、本番前の現在は4時間叩いているという。
今回は内閣官房が万博を機に実施する「万博国際交流プログラム」の一環として、全国各地の地域住民と万博参加国・地域の関係者が、地方公共団体の事業を通じて継続的に国際交流する枠組みだ。
昨年は福井県立大学生が来伯して、ジャパンハウスで福井県PR「ミニ福井祭り」、福井村の若者との交流、福井村での福井郷土料理体験交流、その成果報告としてブラジル訪問パネル展も行われた。その続きとして、今年は万博ブラジル館の関係者として、ブラジル福井村の太鼓チームを招いて演奏をしてもらい、ブラジルに根付いた和太鼓の魅力を発信する予定。
飛翔太鼓メンバーは7月13日に出発、16日に万博会場内で行われるイベント「恐竜王国福井DAY」に合せて演奏を披露する。当日はオリジナル曲の「山裾」「星祭り」「羽ばたき」に加え、東京・玉川の太鼓チームから教わった「新玉川太鼓」の4曲が演奏される予定。
6歳から練習を重ねているというメンバーの古庄正男さん(17歳、3世)は「訪日2回目、とっても楽しみにしてます」、太鼓チーム応援団長とも言える存在の渡辺悟同市市議は「市役所と福井村のかけ橋のような役割をしている。日本文化を市に広げる手伝いをしていきたい」、徳久会長は「村の皆んなは『頑張ってこいよ』と励ましている」とのこと。