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ブラジル日系社会=『百年の水流』(再改定版)=外山脩=(271)

2025年10月22日


以下は、再び遺族の話。━━

多田は逮捕された時、警察署長から、

「日本が戦争に負けたことを認めるという内容の書類に、署名をすれば、釈放される」

と教えられた。

多田がガルサへ送られた後、一九五二、三年頃、その妻は子供たちを連れて、同地へ移り住み、夫に何度も面会をし、

「子供たちも学校へ行く年頃で、困っているから、署名して下さい」

と懇願し続けた。

結局、多田は署名をして出所した。すると、仲間もそれに続いた。

多田は出所後、ガルサの町に住み、洋服仕立て業を営み、後、サンパウロに移った。

昔のことは何も話さなかったが、一九六七年、日本から皇太子夫妻(平成天皇・皇后)が...

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