森の夢
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=67
運平は洗い終った馬を適当な処につないでおくように頼むと、自分の小屋へ濡れた服を着換えに戻った。 「す...2024年10月26日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=66
サトイモに似たものが河辺に自生していた。野生種なのか原住民のインヂオが植えたものか分らないが、掘って...2024年10月25日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=65
それを素足で踏んだのだった。水しぶきをあげながら転倒した男の 背中にも、手にも刺がささった。 岸から...2024年10月24日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=64
或る日の早朝……ドラード河が異様な唸りを発した。 ウォーン、ウォーンという不気味な音響だった。 〝河...2024年10月23日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=63
洗濯は河でしたが、岸辺に横たわっていた茶黒色の丸いものをヤシの倒木だと思って足場にしたら、ズルズルと...2024年10月22日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=62
九月になればコーヒー農園の契約が終った入植者たちがやってくる。それまでに一応の受け入れ体制を整えなけ...2024年10月19日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=61
滂沱とした涙が運平の頬を濡らした。若者たちも泣いた。原始林の開拓に着手しようとする人々が例外なく襲わ...2024年10月18日
小説=「森の夢」=ブラジル日本移民の記録=醍醐麻沙夫=60
運平の号令で一列の縦隊は昨日のように進みはじめた移しい霧が頭上から降ってくる。そよとも動かないのに葉...2024年10月16日