連載小説
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=18
コーヒー採集用のラステーロ(地面に落ちたコーヒーの実を掻き集める熊手)の柄に水樽の把っ手を通して背負...2023年6月24日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=15
「偉そうなこと抜かすな。兄貴は親の財産を守ってりゃいい顔やが、俺はお前からもらった猫の額ほどの土地を...2023年6月20日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=14
「しっかり作らないと駄目ですよ、お父ちゃん。どうして夜ギイギイと寝床を鳴らすんだろう、と子供たちに言...2023年6月17日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=13
会話がちぐはぐであるが、ユーモラスだ。永い旅の緊張から解放された田倉親子は、ほっとした心の緩みから急...2023年6月16日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=12
やがて、一軒の灯火もない家の前に馬車は停まった。田倉の家族は馬車から降りたものの、さて、これからどう...2023年6月15日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=11
「バカもの。飯に砂糖などかけて食べられるか。常識のないアマめが」 田倉は気に入らないことがあると直ぐ...2023年6月14日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=10
どの家も同じ大きさで、白い壁、素朴なせんべい瓦の屋根、眼窩のような二つの窓と入口が同じ方角を向いてい...2023年6月13日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=9
二家族は、その裸木の下で耕地からの出迎え便を待っていた。強風に揺れ続ける茄子型の木綿の実が、今にも自...2023年6月10日