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今だけでなく、未来を見越した選挙戦を=選挙放送いよいよ開始

2022年8月26日

サンパウロ州知事選の討論会(Diogo Zacarias)
サンパウロ州知事選の討論会(Diogo Zacarias)

 今日26日からいよいよ選挙放送がはじまる。これから5週間ほど、全てのテレビ、ラジオ局が一斉に、1日2回25分の選挙宣伝番組を日曜を除いて毎日放送する。各候補者のCMも流れるようになり、各放送局は大統領選と知事選出馬者による討論番組も企画するので、生活がテレビ、ラジオとともにあるタイプの人たちには、強い刷り込み効果がある。
 今年の大統領選の場合、「ルーラ氏対ボルソナロ氏」の構図が早くから出来てあがっていたため、どんなに選挙宣伝を賑やかに行っても、大勢を大きく変えられる候補者はいないと見られている。支持率が1%にも満たない泡沫候補も多く、彼らは誰にも見向きもされない中で選挙放送に勤しんでいる状態となっている。だが、「選挙は今年だけ行われるものではない」ということを思えば、彼らの活動は非常に重要だ。
 ここのところはずっと「ルーラ氏対ボルソナロ氏」の構図が続いているが、これが永遠に続くわけではない。仮に続くとしても、せいぜいあってもう1回あるかないか。ルーラ氏も次の選挙の頃には80歳超えの高齢となるし、選挙にことのほか熱心なボルソナロ氏も、次どうなるかは未知数だ。それどころか、世間がずっと現在のような「極右対左派」の対立を望むかどうかさえわからない。
 だからこそ、4年後、もしくは8年後のために、候補者たちは今のうちから自分のことを精一杯アピールしておく必要があるのだ。
 コラム子の本音を言ってしまえば大統領選だとシモーネ・テベテ氏やソラヤ・スロニッケ氏だけでなく、アンドレ・ジャノーネス氏、エドゥアルド・レイテ氏といったネット上での人気もそれなりにある若手政治家にもっと大統領選に参加して欲しかった。キャペーンCMや討論会での言動で印象に残ればその次に覚えてもらえるからだ。今回大統領選に出馬した人たちは積極的に目立ちにいってほしい。
 また、知事選候補を次の大統領選候補として注目することも大切だ。ルーラ氏の後継者と目されるサンパウロ州候補のフェルナンド・ハダジ氏やリオ・グランデ・ド・スル州知事再選を目指すレイテ氏。こうした人たちがどんな風に選挙戦を戦うかは注目に値する。今回の選挙で一躍注目される新政治家も出てくることだろう。
 このように今回だけでなく、未来を見越した見方をすると、選挙戦はさらに楽しくなるものだ。(陽)


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