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ゼレンスキー「ブラジルは親ロシア」=ブラジルと中国の和平提案はムダ

2024年9月14日

インタビューに応じるゼレンスキー大統領(11日付メトロポレスの記事の一部)
インタビューに応じるゼレンスキー大統領(11日付メトロポレスの記事の一部)

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、首都キーウの大統領官邸で行われたメトロポレスの独占インタビューで、ブラジルと中国が共同で発表した和平案に対して強い不満を示し、これを「破壊的」であり「単なる政治的声明」に過ぎないと批判した。ルーラ政権の姿勢を改めて批判し、ブラジルは「親ロシア」であると述べた。11日付メトロポレス(1)や12日付CNNブラジル(2)などが報じた。
 11日に公開された同インタビューでゼレンスキー大統領は、同和平案について「我々には何の相談もなかった。そしてロシアはこの提案を支持すると表明した。我々は愚かではない。このような小芝居が一体何の役に立つというのか。この提案について、あなた方はすでにロシアと話し合っていたにもかかわらず、『これが私たちの提案です』と、さも独自の計画であるように言った。これは明らかに公正でも、公平な価値に基づいているとも言えず、我々に対する軽視だ」と主張した。
 ブラジルがロシア寄りであるとし、今後の戦争終結交渉の前に、ウクライナとの関係を強化する必要はないだろうとも述べた。
 ゼレンスキー大統領は、ブラジルと中国は敵ではないということを明確にした上で、「我々は自国の領土で戦っている。ロシアを止める必要がある」と力強く述べた。
 このブラジルと中国の和平提案は5月に発表されたもので、「紛争を非エスカレート化する」ことを目的とした一連の措置を提示した際に出てきたもので、「戦場を拡大しない」「戦闘をエスカレートさせない」「情勢を炎上させない」という三つの原則に基づいて、ウクライナとロシアが直接交渉することを提案している。
 さらにブラジル外務省と中国外務省は共同で、民間インフラへの爆撃中止と、国境両側の原子力発電所周辺に安全地帯を設定することを求めている。
 5日、ロシアのプーチン大統領はBrics加盟国で強い結びつきのある、ブラジル、中国、インドが紛争終結のための交渉を仲介する可能性があると述べた。同時に、ロシア軍の高官たちは、ウクライナ軍がクルスク国境地帯を占領している限り、交渉はあり得ないとも述べた。
 ゼレンスキー氏の発言は、ブラジルとウクライナ間の外交的な緊張の一環として位置づけられ、ブラジルの〝中立的な姿勢〟がウクライナ側には不十分であると見なされている。「ルーラ大統領とはいい会話ができたし、彼は私のことを理解してくれていると思った。彼との会談に感謝しているし、とてもオープンだった。だから政治的なだめすかしではなく、何が起こっているのかを理解してもらえることを期待していた」と述べた。
 さらにゼレンスキー大統領は「殺人者」と分類されているプーチン大統領は紛争終結の意向を示していないため、ブラジルと中国が提案した和平の努力は、無駄だと指摘した。
 今週初め、ウクライナ大統領府長官アンドリー・イェルマク氏は、ルーラ大統領にウクライナを訪問し実際に何が起こっているかを自分の目で確かめるよう要請した。この訪問がブラジル大統領の紛争に対する見解や姿勢を変える可能性があることを示唆した。


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