RENブラジル4周年祝う=成果を確認して拡大を誓う=次世代育成でジョーベンス発足

若手日系起業家団体「REN」ブラジル(レスリー・イシイ会長)の4周年記念式典が18日にブラジリアで行われ、林禎二駐ブラジル大使、川村怜子JICA次長、相原ペドロ下議、伯日議連会長の西森ルイス下議らが出席し、2025―2026年期の新執行役員および監査役の就任式も行われた。首都の日系起業家や関係者が一堂に会し、功績を称え合いながら未来への展望を語りあった。
RENブラジルは創設以来、日系社会における起業促進と新機会創出の役割を果たしてきた。今式典には、林大使と川村次長が出席したことで、日本との連携強化が改めて確認された。
REN事業部長のマルシア・ミカミ氏は、今年の主要な活動予定を発表。その中には「RENブラジルビジネスミッション―日本万博2025:130年のビジネス、ガストロノミー、文化」や「アマゾナスビジネスミッション」「日系企業イノベーションフォーラム―ブラジル日系ビジネスの未来を加速」などが含まれている。

今回、次世代のリーダー育成の重要性を認識し、若手起業家育成を目的とした「RENジョーベンス(REN Jovens)」も発足した。このプログラムは、日系アイデンティティを尊重しながら、若手起業家の成長機会を広げることを目的としている。同プログラムの代表アケミ・ヨコザワ氏とダニロ・シマノ氏が、今後の方針と活動予定を説明。日系伯人若者の交流イベント「ICOブラジリア」も紹介され、主催者のケンゾー・ノムラ氏とパブリネ・イヌマル氏が、次世代ネットワークの強化と日系社会の結束の重要性を強調した。

今回のイベントでは、女性起業家支援プログラム「RENムリェーレス(REN Mulheres)」も注目を集めた。このプログラムは、現会長のレスリー・イシイ氏によって設立され、女性の社会進出とビジネスの発展を後押ししている。設立当初わずか4人の女性起業家から始まり、現在では25人の会員を擁す。ブラジリア、パラナ、サンパウロ、マナウスなどで活発に活動し、ゴイアニアとリオへの拡大も予定されている。
RENは日系社会にとって重要な法案も推進した。その一つが、「生け花の日」を正式に制定する法律「第15・098号(2025年)」の施行だ。この法律は20年にわたる議論を経てようやく成立し、報告者である相原下議によりその意義が強調された。
また、ブラジリアに「日本通り(Rua Japonesa)」を設置する提案を行った連邦直轄区議員チアゴ・マンゾーニ氏や、日伯関係を推進する西森ルイス下議も出席し、さらなる日伯協力の可能性について言及した。

式典のハイライトのひとつは、会員企業の事業を紹介する「RENブラジル会員カタログ」の発表だった。これは日系企業の連携を促進し、伯国内外の機関や日本政府機関に配布される。新たなパートナーシップの構築とビジネスチャンスの拡大が期待されている。
イシイ会長は「設立4周年を迎え、起業推進、日本文化の継承、次世代リーダー育成を軸に、さらなる発展を目指しています。日系社会にとって欠かせない支援ネットワークとして、今後もその存在感を高めていく」と抱負を述べた。