岡山県移住115周年記念式典=「過去を偲び、将来へ挑みましょう」=総勢170人で晴れの日祝う=母県から慶祝団8人=うらじゃ音頭で心ひとつに

岡山県人会(角南美佐子会長)は17日午前10時、サンパウロ市サウーデ区のブラジル鳥取県人会会館で「岡山県移住115周年記念式典」を開催し、会員や来賓、日本から来伯した慶祝訪問団8人ら総勢170人で晴れの日を祝った。
式典では森西カルロス進副会長が開会あいさつを行い、先亡者に一分間の黙とうを捧げた。その後、日伯両国歌を斉唱し、慶祝訪問団はじめとする来賓を紹介した。
式典あいさつに立った角南会長は岡山県民の移住史を紹介。岡山県民は1910年に旅順丸で120人がブラジルへ渡ってきたと話し、「過去を偲び、将来へ挑みましょう」と呼び掛けた。
県庁を代表して県民生活部の藤原いずみ地域活性化推進監が登壇し、「ブラジル岡山県人移民115周年記念式典のご盛行を心からお喜び申し上げます」と祝意を述べ、岡山県の魅力的な気候や名産、観光地を紹介し、来県を呼び掛けた。
サンパウロ総領事館の野上由佳副領事は清水享サンパウロ総領事のメッセージを代読。清水総領事はブラジル岡山県文化協会の行う桃太郎フェイジョアーダ会やアートギャラリーなどの活動が日伯友好関係の発展に大いに寄与しているとして感謝の意を示した。また、半世紀以上にわたって同県が実施している留学研修事業の功績を称え、より一層の発展を祈念し、今後の活動への協力を約した。
その後、宮崎昭博JICA(国際協力機構)ブラジル事務所長、谷口ジョゼ真一郎ブラジル都道府県人会連合会会長、西尾ロベルト義弘ブラジル日本文化福祉協会会長、須崎順サンパウロ日伯援護協会副会長があいさつした。
伊原木隆太岡山県知事のビデオメッセージが披露された後、藤原地域活性化推進監から県人会へ記念品と補助金目録が贈られ、角南会長からも慶祝訪問団へ記念品が贈られた。
功労者、高齢者、功労者表彰が行われ、受彰者を代表して根岸健三さん、武本憲治さんが感謝の辞を述べた。
県歌『みんなのこころに』を合唱し、頃末龍彦アンドレ副会長が閉会の辞を述べて閉会した。

閉会後の懇親会では、2022年世界マスターズ陸上選手権大会で金メダル6個を獲得し、重量投げの世界新記録を持つ松島巧(93歳)さんが乾杯の音頭を取った。アトラクションとして岡山の郷土音頭「うらじゃ」が披露され、太陽と赤鬼をイメージした赤い法被を着た慶祝団の学生5人と青い岡山県人会の法被を着た県人会青年8人が中心となり、会場全員で勢いよく「うらじゃ」を踊って幕を閉じた。
魅力満載の岡山
岡山県は晴れの日が多く、気候が温暖なことから、「晴れの国」と呼ばれている。豊かな自然に恵まれ、白桃やぶどうなどの果物をはじめ、美味しい食べ物が豊富にある。観光地には日本三名園のひとつ「岡山後楽園」や倉敷美観地区などがあり、伝統的な日本らしい風情を味わうことができる。また昨年はプロサッカーチーム「ファジアーノ岡山」のJ1リーグ昇格や国内外のアーティストによる自然と文化が融合したアート作品展示イベント「森の芸術祭」が開催されるなどスポーツや芸術面でも盛り上がりを見せている。