本派本願寺=全伯に仏縁の輪広げる=第62回南米仏教婦人会大会=同婦人会連盟70周年を祝う
本派本願寺南米教団の南米仏教婦人会連盟(西村節子委員長)が主催する第62回南米仏教婦人会大会が9月28日に、聖市の本派本願寺伯国別院で同連盟70周年を祝う式典と共に開催され、全伯各地から322人が集まり、丸一日お互いの交流を深め、節目を祝いながら和やかに念仏の輪を広げた。
同連盟は「仏法の母」として仏教徒を産み育ててきた女性による組織。南米教団の礎であり、年間行事の中でも最重要な一つ。
開会式では「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」の唱和に続き、最初に昨年の開催地だったスザノ仏婦旗を先頭に22会所の旗が入場した。仏教婦人会綱領の「お聴聞を大切にいたします」「南無阿弥陀仏の輪を広げます」「み仏の願いに叶う生き方を目指します」を大きな声で唱えた。
西村委員長は「積極的に参加して実り多き大会に。この70年間の長い歴史を支えてきた全ての役員に感謝の意を捧げたい」と謝辞を述べ、「昨日が夫西村正一(しょういち)の四十九日法要でした。多くの温かいお言葉をいただき感謝します」と気丈に語った。
梶原俊栄南米開教総長は「より一層、南米の大地にお念仏のみ教えが根付いていきますように念じ上げる次第です」と挨拶した。
開催地・サンパウ仏教婦人会の中野明美会長は「お一人お一人が今日一日をテーマである『ご縁を喜び、お念仏と共に』を味わいつつ、法の友と語り合ってお過ごし頂けたらこの上ない喜びです」と開催の喜びを述べた。
仏婦総連盟講師の小池秀章講師が、この大会のために録画したビデオが上映された。小池師は、祖父が開教使としてハワイに派遣されていた時に母が現地で生まれ、母の弟2人も北米で開教使をしていたとの日系社会との縁を冒頭で語り、「自らの愚かさに気づく」などの三題の法話を語る中で、「ケンカや争いが怒るのは、お互いが『自分が立派で正しく、相手が愚かで間違っている』と思っている時です。戦争も、正義と正義が戦っているのです。もう少し正確にいうと、自分が正義だと思っているもの同士が戦っているのです」と現在の世相を考えさせる深みのある話を展開した。

記念式典で功労者表彰
11時半から同連盟創立70周年記念式典が開始。最初にこれを記念してモダンな曲調を編曲した「南米仏婦の歌」と「南米仏婦行進曲」動画のお披露目が行われ、プロデュース担当のカミロ・カハラさんが挨拶して感謝の花束を受け取り、同時に同70周年記念小冊子を制作したエンリッキ・フジカワさんも紹介された。
70周年を記念して、次の元開教総長や長年貢献してきた先生方に、西村委員長から記念品と感謝状が授与された。松峰慈晄(じこう)、梶原義教(ぎきょう)、杣山哲英(そまやまてつえい)、清水円了(えんりょう)、岡山智浄(ちじょう)、梶原俊栄6氏。
さらに次の元連盟委員長や現職に記念品と感謝状が、梶原総長から授与された。山下明子、片山七海(ななみ)、上芝原初美、西村節子4氏。表彰者を代表して松峰師は「『おかげさまで』という言葉の通り、婦人部は陰となって南米教団を支えてくれた大事な存在。心から感謝したい」と謝辞を返した。

39人の物故者を追悼
ブッフェ形式の昼食を挟んで14時から物故者追悼法要となり、前回大会以後に亡くなった39人の名前が読み上げられ、上芝原さんが追悼の言葉として、「今は亡き先輩の方々のお心を受け継いで、南米教団と仏婦連盟の発展のために、共に精進いたしますことをここにお誓いして追悼の言葉といたします。どうかお浄土から見守っていてください」と述べた。
皆で「正信偈(しょうしんげ)」をお勤めし、最後に梶原総長が「往生された39人が、後に残った我々を真実の道に導いてくれている」との法話を語り、「み仏に抱かれて」を唱和した。
16時から閉会式となり、仏婦連盟の中里きよこ副会長が「楽しかった仏婦大会もあっという間! 70周年記念大会に参加でき大変嬉しく思います。今回もたくさんのご縁をいただきました」と閉会の挨拶した。
西村委員長から大会旗が次回開催地のコロニア平野の光明寺婦人部代表の川市清美さんに渡された。川市さんは「来年コロニア平野でと聞いてビックリした方もいると思いますが、我々もビックリしました。でも光明寺は西本願寺では一番古いお寺で75年になります。人数は少ないですが、一丸になって準備します」との意気込みを語った。
お別れパーティーとなり、次々に芸達者が歌や踊りを披露して和やかな時間が流れた。最後に「蛍の光」を全員で歌い、「来年、カフェランジアで会いましょう」との司会の言葉で閉会した。

モジ本願寺の護持会の藁谷アントニオ長男会長(おさお、72歳、2世)に感想を聞くと「遠くから来ている大勢の皆さんに会えて、大切な機会を貰った」と喜んでいた。