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感謝の言葉を「仕組み」で届ける=老舗企業が外国人労働者定着支援で=定着率向上、ポ語にも対応

2026年2月25日

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 【東京発】従業員に「感謝」を届ける新たな福利厚生ギフトサービス「ちょこギフ」の事業説明会が2月12日、東京都千代田区のLIFORK OTEMACHIで開催された。1910年に福井で創業した老舗印刷会社のチャンスメーカー株式会社が開始したもので、深刻な人手不足が続く日本において、ブラジル出身者を含む外国人労働者の定着とエンゲージメント(貢献意欲)向上を支援するのが狙いだ。

 「ちょこギフ」は、入社記念日や誕生日、繁忙期のねぎらいといった節目に、多言語でのメッセージ付きはがきやギフトを届ける法人向けサービス。ポルトガル語を含む5言語に対応しており、同社の事業推進室長・古市哲也氏は「自社で感謝を伝える取り組みをしたところ離職率が下がった経験が、開発のきっかけ。5年後には13億円の事業規模を目指したい」と展望を語った。

 同時に行われたパネルディスカッションには、2千人以上の日系ブラジル人を雇用するUTスリーエム株式会社の筑井信行代表取締役社長や、同社で働く日系ブラジル人の若生カルロスさん、谷坂ミホさん、福利厚生の専門家である西久保浩二山梨大学名誉教授らが登壇した。

 筑井社長は「地球の反対側から来てくれた皆さんに感謝を伝えたいが、一人ひとりに届けるのは言語の壁もあり難しい。家族にも会社を知ってもらう良い機会になる」と、1月からのテスト導入で得た手応えを語った。

 現場でマネジメントを担う来日18年のカルロスさんは、「手紙を読んで、自分の仕事を見てくれていると感じて嬉しかった」と笑顔を見せ、来日8年目のミホさんも「上の人に認めてもらえるだけで『もっと頑張ろう』と思える。他の社員も皆、嬉しい表情をしていた」と、母国語で届く「心の報酬」の重みを強調した。

 西久保教授は、近年の就活生が福利厚生を重視しているデータを引き合いに出し、「給与での差別化は難しいが、福利厚生は企業の独自性を出せる。『言語報酬』は心理的安全性を高め、エンゲージメントに直結する」と本サービスを高く評価した。

 日本で働く外国人が過去最高の250万人を超える中、筑井社長は「定住には日本語学習の機会や、病院、行政といった生活面でのサポートが不可欠。多文化共生の現場を豊かにつなぐ架け橋が必要だ」と述べ、単なる雇用条件の整備を超えた、一人ひとりを尊重する姿勢が日本の労働環境の未来を左右することを浮き彫りにした。



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