【13日の市況】イボベスパ指数は0.43%安の137,212.63ポイント=Petrobrasや一部輸出関連株が市場全体を下支え
イボベスパ指数はこの日、0.43%安の137,212.63ポイントで取引を終えた。一時136,585.9ポイントまで下落したものの、最高値137,799.95ポイントも観測。出来高は227億レアルに上った。
地政学リスクの高まり、投資心理に影響も…Petrobrasが下支え
この日は中東情勢を受けた地政学的リスクの高まりが嫌気され、イスラエルによるイラン攻撃報道が市場心理を冷やした。一方で、Petrobras(ペトロブラス)の株価上昇が、一時的ではあるがリスク回避ムードを和らげる格好となった。
週間ベースではプラス圏を維持
イボベスパは週間では依然として0.82%の上昇を維持。地政学リスクの中でも、国内要因や輸出関連企業への期待などが総じて支えとなった。
地政学リスク:イスラエル・イラン間の殴り合い激化、リスク資産に重し
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イスラエルは13日未明(現地時間12日夜)にイランを集中的に攻撃。核関連施設やミサイル工場を標的とし、複数の指揮官も殺害されたと報じられた。
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イランは即座に報復としてミサイル攻撃。テルアビブ、エルサレムなど複数都市で爆発音やサイレンが確認されている。死傷者の有無は現時点で不明。
これにより、マーケットでは安全資産への回帰が強まり、米国の株価も軟調な展開に⎯S&P500は1.13%下落。米10年債利回りは4.41%と上昇した。
国内材料:Petrobras、配当拡充で下支えも不透明感
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Petrobras株は、LSI(LN:PN)が+2.46%、ON株が+2.13%と買われた。原油価格の上昇(ブルント原油が7.02%高の74.23ドル)を背景に、配当利回りへの期待が高まっている。
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同社は6月20日の支払配当を、従来の0.35レアル→0.37レアルに引き上げる見通し。
他セクター動向:輸出・銀行・木材などに幅広い影響
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Vale(鉱山株)は-1.33%と売られ、世界的なリスク回避の中で同社株も一気に圧迫。
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銀行株ではItau Unibancoが-1.2%、Bradescoが-1.15%、Santander Brasilが-0.37%と軟調推移。Banco do Brasil(+0.79%)のみ反転上昇。
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Suzano(製紙会社)は、ゴールドマン・サックスによる格上げで+2.19%の上昇。
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一方、CVC Brasil(旅行業・旅程手配)は-8.33%、Magazine Luiza(小売)は-7.07%と急落、不動産株や金利敏感株への警戒感が浮き彫りに。
財政調整は依然迷走、来週に向け警戒感続く
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政府と議会の間で財政改革の意思疎通が進まず、IOF(金融取引税)など一部税制措置が混乱。
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財務省は今年度の財政バランスを維持するために100億レアルを計上したが、専門家らは「構造改革が不十分」「さらに2~30億レアルの追加財源が必要」と指摘。
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議会は暫定措置法の取り扱いにも慎重姿勢を崩さず、来週は米国・ブラジル両中銀の金融政策決定を控える中、市場の注目が続く。
まとめ:中東情勢の緊張がリスク回避を誘発する一方、Petrobrasや一部輸出関連株が市場全体を下支え。国内では財政・金融政策を見極める中で、来週の展開次第では一段とリスクが顕在化する可能性もあり、警戒感が払拭されるには至っていない。