site.title

超加工食品が認知症を招く?=簡便な食生活のツケ重く

2022年8月11日

超加工食品を食す子供(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)
超加工食品を食す子供(Marcello Casal Jr./Agencia Brasil)

 8日付のアジェンシア・ブラジルで、「超加工食品は認知症の原因となる可能性あり」という記事を読み、唖然とした。
 「超加工食品」は、食パンやサルガジーニョ(菓子類)、炭酸飲料など加工程度が高い食べ物を指す。
 記事では、サンパウロ総合大学が2008年から行っている35~74歳の人約1万5千人を対象とする研究から、超加工食品をよく食べる人はそうでない人よりも物忘れが酷くなる、計算ができなくなる、日常の作業が困難になるなどの認知症的損失割合が28%も高いとの研究結果を紹介。1日のカロリーの20%以上を超加工食品からとっている人は損失の程度がさらに大きいそうだ。
 我が家は30年近く玄米食で、最近はグルテンも避けるようにしているが、息子や孫にせがまれ、精白食パンで作ったサンドイッチを食べさせたりする事もある。サンドイッチ2組で食パン4枚かと考えたら、気が滅入った。食パンを3枚食べると1日のカロリーの20%に相当すると知り、なお気が重くなった。
 玄米食に切り替えた頃読んだ本に「精白砂糖は脳をジャム化させる」とあったのを思い出した。黒砂糖のように、人の手が余り加わっていないものは害が少なく、栄養も残っているが、精白砂糖は甘いだけで栄養はなく、脳もだめにするというのだ。何かあると簡単に「ブチキレる」のも脳がジャム化しているからで、精白砂糖を控えるだけで精神状態が安定するとも書かれていた。
 人の手が加わった食材や食品は外観も良く使い易いが、肥満などの問題も起き易い上、食材本来の栄養や薬効などと共に、脳の機能や人生の楽しみなども失われてしまうのかと考え込んでしまった。
 件の記事には、伯人が超加工食品からとるカロリーは20%前後で、英国や米国、カナダなどの約60%より状態が良いとあった。国家衛生監督庁(Anvisa)は加工食品の包装に塩分、糖分、脂肪分の記載を義務付けたが、どの位の人がそれに目を止め、理解しているかははなはだ疑問だ。
 最近は対症療法よりも予防医学がもてはやされているが、超加工食品や遺伝子組み換え食材の危険性はまだ研究中だ。知人の息子さんは親が玄米を買うのを見て、白米の方が安くて簡単だから従来通りの食生活を続けると語ったが、その後に払う分を考えるとどちらが安いかも考える必要がありそうだ。(み)


《記者コラム》逆行した政策で軋むブラジル経済=基本金利20%、1ドル8レアル説まで前の記事 《記者コラム》逆行した政策で軋むブラジル経済=基本金利20%、1ドル8レアル説まで「内助の功」ならずのミシェレ夫人次の記事「内助の功」ならずのミシェレ夫人
Loading...