【12日の市況】Ibovespaは今年最大の下げ幅1.68%安となり124,400.59ポイント=ドルは0.08%安の5.763レアルに
本日、Ibovespaは1.68%下落し、124,400.59ポイントで取引を終えた。これは2,121.07ポイントの下落で、2025年最大の1日での下落幅となった。これまでの最大下落率は1月3日の1.33%だった。
では、なぜこれほどまでにIbovespaが下落したのか? 簡単に言えば、米国の1月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回る上昇を記録したためだ。この結果、市場はFRB(米連邦準備制度)が利下げを9月まで行わない可能性が高いと見ている。本日、FRBのパウエル議長は議会での証言を続けており、根強いインフレへの圧力が再認識された。
ブラジル中央銀行(BCB)のガブリエル・ガリポロ総裁も注目の的だった。ルーラ大統領は、「ガリポロに時間を与えるべきだ」と発言し、「彼はブラジルの金利を適切に調整すると確信している。彼が就任直後に急激な変化を起こすことはできない。慎重に進めなければならない」と述べた。この発言はドルの急騰を抑える要因となり、ドルは最終的に0.08%安の5.763レアルで取引を終えた。一方、金利先物(DI)は全体的に上昇した。
トランプの関税問題
ガリポロ総裁は、米国のトランプ大統領が世界に対して発動している関税措置にも言及した。彼は、「関税に関する不確実性は高いが、ブラジルは米国との関係性が比較的薄いため、影響は限定的である可能性がある」と指摘した。副大統領のジェラルド・アルキミンも「ブラジルは関税問題に対して解決策を見つけられる」と楽観的な見方を示した。
一方、ヨーロッパでは、トランプの関税政策を前に株式市場が史上最高値を更新した。しかし、ニューヨーク市場ではCPIの影響が大きく、ダウ平均とS&P500は下落した。ナスダックはわずかに上昇したものの、その差は小さかった。
PetrobrasとBradescoの大幅下落
ブラジル市場では、ウォール街の悪影響が色濃く反映された。しかし、それだけではない。トランプ大統領が「ロシアのプーチン大統領と即座にウクライナ戦争の交渉を開始する」と発言したことも影響を与えた。
このニュースを受けて、国際的な原油価格が下落し、Petrobras(PETR4)は1.49%安となった。PRIO(PRIO3)も1.96%下落した。
銀行株は別の要因で下落した。Bradesco(BBDC4)は、国外アナリストによる格下げを受けて4.56%の急落。Santander(SANB11)は格上げの恩恵で一時プラス圏を維持したが、最終的に0.61%の下落。Itaú Unibanco(ITUB4)は2.77%安、Banco do Brasil(BBAS3)は1.64%安だった。
小売業も軒並み下落。Lojas Renner(LREN3)は4.07%下落。ただし、Carrefour(CRFB3)は2.68%上昇し、昨日の非上場化報道が引き続き影響を与えた。
Vale(VALE3)は鉄鉱石価格の上昇にもかかわらず0.67%下落。
その他の注目銘柄としては、Porto(PSSA3)が3.84%下落(格下げの影響)、Embraer(EMBR3)が1.03%下落(投資発表があったものの影響軽微)、Ambev(ABEV3)が0.36%下落(競合のハイネケンの四半期決算が影響)、TIM(TIMS3)は2.19%上昇(配当と自社株買いが材料視された)。
また、本日発表されたブラジルの12月のサービス業データは市場予想を下回る結果となった。明日は小売業のデータが発表される予定で、さらに米国では生産者物価指数(PPI)の発表も控えている。市場はまだ不透明な状況が続いている。
ドルは5.762レアルに下落、米国CPIとパウエル発言の影響は限定的
火曜日のドルは0.31%下落し、5.7682レアルで取引を終えた。水曜日の市場では、ドルは対レアルでほぼ変動がなく、狭いレンジ内で推移。朝方の米国のインフレデータによる圧力があったものの、終盤には落ち着いた。
最終的に、ドルの即時取引価格は0.10%安の5.7622レアルとなり、2025年の年初来では6.75%の下落を記録している。B3(ブラジル証券取引所)の先物市場では、3月限のドルは0.12%安の5.7800レアルで取引された(17:04時点)。
B3のCEO、2025年に取引時間を延長する計画を示唆
B3のCEOであるギルソン・フィンケルスタイン氏は、先週開催された「InfoMoney Outliers Awards」で、取引時間の延長計画について語った。特に、先物市場(指数・ビットコイン)が最初に延長される可能性があるという。
「現在、規制当局や業界と協議を進めており、少しずつ取引時間を延ばすことを検討している。開場時間を早め、閉場時間を遅らせる可能性もある」と述べた。
ブラジルのデリバティブ市場は、世界最大級の規模を誇り、金利先物(DI)、ドル先物、Ibovespa先物は世界トップ15に入る。取引時間の変更は、為替市場や現物株式市場にも影響を与える可能性がある。