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《記者コラム》栄養バランスにご注意を=ビタミン不足は大丈夫?

2025年7月10日

ビタミンB12の欠乏に注意をと呼びかける20日付G1サイトの記事の一部
ビタミンB12の欠乏に注意をと呼びかける20日付G1サイトの記事の一部

 6月20日付G1サイト(1)に、ビタミンB12が不足して起きる症状や病状改善に役立つ食材などを紹介する記事が出た。
 高齢者向けのディサービスを手伝っていた時の経験や、主人が以前、目の前が真っ暗になって倒れそうになったと言って神経内科を受診して以来、複数回ビタミンB12の投与を受けたことがあり、余計に気になって、読んでみた。
 記事によると、ビタミンB12は赤血球の形成など、人体の様々なプロセスに不可欠で、健康上極めて重要な役割を果たしているという。また、神経を覆って保護し、神経インパルスの伝導を促進するミエリンの維持にも作用。タンパク質と脂肪の代謝を助ける上、血液や粘膜などの再生速度の速い細胞の複製やDNAの合成にも不可欠だそうだ。
 ビタミンB12が不足すると、貧血、持続的な疲労感、脚の脱力感やしびれ、チクチク感、認知機能障害が起こるという。これらの症状は循環器系の問題と見られやすいが、多くの場合はビタミンB12欠乏症だという。
 ビタミンB12欠乏症が起こりやすいのは、高齢者、ベジタリアンやビーガン、胃腸疾患のある人、セリアック病やクローン病の人、糖尿病予備軍や糖尿病患者でビタミンB12の吸収を阻害するメトホルミンを服用している人、肥満手術後の患者などだ。これは、ビタミンB12の摂取量が不十分な場合や、代謝・吸収が困難な場合が多いからで、欠乏症が起きた時の一般的な治療法は食事療法と経口または注射によるサプリメント処方となる。
 一方で、サプリメントなどによるビタミンB12の過剰摂取は有害で、神経学的問題を引き起こし得るという。体内のビタミンB12濃度が適切なら、サプリメントの摂取は不要だ。
 また、理由は定かではないが、2022~24年の新型コロナ感染症パンデミック後に、ビタミンB12の血中濃度検査数が増え、検査室によっては75%以上増加したところもあったとあり、パンデミックと検査需要の増加の関係も気がかりとなった。
 ビタミンB12の摂取には牛や豚、鶏といった肉類や魚介類(サケやイワシ、マグロ、マス、貝類)がお勧めとか。肉に比べると含有量は少ないが、乳製品や卵も良いという。
 コラム子の主人は高齢で、完全なベジタリアンではないが玄米食にこだわり、肉類は食べたがらない。そうした人への対応策ともなりそうな食材には、アーモンドミルクやオートミルク、豆乳といった植物性ミルクや、朝食用シリアル、特定の栄養酵母が挙げられていた。
 世界保健機関が推奨するビタミンB12の摂取量は約2・4マイクログラム/日。赤身肉100グラムには最大2・8マイクログラムのビタミンB12が含まれており、食事だけで必要量をとるのは比較的簡単そうだ。
 また、高齢者が患いやすい骨粗しょう症の治療や予防にはカルシウムとビタミンD、運動が必要。ビタミンDの効果を高めるにはビタミンⅭが必要なので、好き嫌いを言わずに何でも食べて栄養バランスを保つと共に、骨密度を高め、転倒防止にも役立つ運動を日々行う必要がありそうだ。
 タンパク質摂取量が少ないと生命維持に必要な分のアミノ酸を筋肉から血中に取り込むことになり、筋肉喪失が早まることになるという。コラム子も普段の食事に更年期障害予防効果のあるイソフラボンを含む大豆製品と卵、乳製品を少し増やそうと試みている。健康を損なってから取り戻すのは時間がかかる。くれぐれも遅きに失したということのないよう注意し、生き生きとした毎日を過ごしたい。 (み)


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