文芸
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=66
昨年、山を焼いた後の湿地には焦げ死んだ鰐が見つかった。中央部の水溜りには生き残った何匹もの子鰐が水を...2023年10月18日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=65
そう言う父の言葉も、隆夫さんの愛国心も痛いほどよく解るわ。だけど私たちは外国に住んでいます。ここは養...2023年10月17日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=64
と、我々の活動を理解することもなく、むしろ嘲けられると、こちらも売り言葉に買い言葉で、祖国存亡の危機...2023年10月14日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=63
律子への手紙 しばらく御無沙汰してしまった。自活の道が拓らけてから便りするつもりでいたが、これでいい...2023年10月11日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=62
彼らは一本の大木に両側から斧を入れ、白いコッパを散らしながら駄じゃれとも媚びともつかない言葉を投げ合...2023年10月10日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=61
切り出した灌木に曲がったものがあると、それを火にあぶって矯正したり、鉋で適当な太さに削ったりする。鍬...2023年10月7日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=60
ときに、先日の新聞だが、ブラジル東北地方一帯に跋扈していたランピオン一味が全滅したと報ぜられている。...2023年10月4日
小説=流氓=薄倖移民の痛恨歌=矢嶋健介 著=59
浩二は小首をかしげて姉から離れた。半ズボンの少年が、ここ二、三年の間に姉と対等に話せるようになった。...2023年10月3日